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松田哲の「FX一刀両断!」
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1.32ドル台前半にストップを置き、
少額でユーロ/米ドルを売るのは良い試み

2012年10月17日(水)17:19公開 [2012年10月17日(水)17:19更新]

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■米雇用統計が良かったものの、動きが底堅かった理由は…

 10月月初のユーロ/米ドルの上昇は、10月5日(金)の米国雇用統計の発表に向けて、売り方(ユーロ売り派)がポジションを縮小したことも、理由の1つだろうと考えている。

 10月5日(金)の米国雇用統計は、9月非農業部門雇用者数(NFP)の事前予想が「+11万5000人」にだったのに対して、結果が「+11万4000人」であり、ほぼ事前予想どおり。

 また、前回(8月)の非農業部門雇用者数(NFP)が、「+9万6000人」から「+14万2000人」へ上方修正された。

 9月の失業率は、事前予想が「8.2%」だったのに対して、結果が「7.8%」と、大幅に予想を上回る良い結果だった。

 この失業率(雇用統計)の結果は、通常は「ドル買い(ユーロ売り)」と判断できるが、指標発表直後のユーロ/米ドルの値動きは、むしろ底堅いものだった

 10月5日(金)の米国雇用統計発表直後は、米ドル/円がすぐに反応して跳ね上がったため、その影響からユーロ/円が上昇した。

 そして、そのユーロ/円上昇の影響で、ユーロ/米ドルの値動きが底堅くなったのだと考える。

■米雇用統計の「良すぎる結果」に固執するのは無意味

 今回の失業率について、大統領選挙に絡めて「数字を操作」したのではないか、という「ウワサ」も出ている。

 米ゼネラル・エレクトリック社(GE)前会長のジャック・ウェルチ氏が、10月5日(金)にツイッターで、「信じられない数字。(オバマ大統領が大統領候補者の)討論会で失敗したので、(失業率の)数字を変えた」と述べ、波紋を呼んでいる。

 今回の失業率の結果は、オバマ大統領にとって再選に向けた追い風になるため、「政治的な思惑があったのではないか」と、ウェルチ氏は示唆したわけだ。

 私も、個人的な考えだが、「数字を操作」したのではないかと疑っている。

 しかし、QE3の効果を考察するのならば、今回のQE3直後の米国雇用統計にばかりに固執するのは無意味とも考える。

■今後は1.28ドルを明確に下抜けしたら「売りシグナル」

 現在のユーロ/米ドルは、下の短期のチャートを見ると、「赤の破線」で示した「安値1.2800ドル-高値1.3200ドルのボックス相場」を形成している。 

ユーロ/米ドル 4時間足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

1.2800ドルを明確に下に抜ける場合は「売りシグナル」と考える。

 また、このところの値動きに対応して「短期のサポート・ライン(2)」(緑の破線)を表示した。

 この「短期のサポート・ライン(2)」(緑の破線)を下に割り込む場合は「売りシグナル」だが、「赤の破線」で示したボックス相場に注目して、1.2800ドルを明確に下に抜ける場合が「売りシグナル」と考えた方が良さそうだと考えている。

 それではいつものように、月足、週足、日足と順に分析していこう。

■「高値圏の乱降下」は一般的に「売りシグナル」

 月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、0.8500ドル近辺(安値は0.8200ドル近辺)から1.6000ドル近辺まで、大きく上昇している。

 1.6000ドル近辺の高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで、大きく上下動を繰り返している。

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM なお、ユーロが発足した1999年より前のチャートはECU(欧州通貨単位)を代わりに使ったチャートになっている模様(ザイFX!編集部)) 

 この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には「高値圏での乱高下」だと判断している

 必ずというわけではないが、一般的に「高値圏での乱高下」は「売りのシグナル」である

 つまり、この大きな上下動はいずれネック・ライン(=下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測している。

■QE3実施を材料に買いシグナルが点灯したが…

 当然ながら、このネック・ライン(=下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(=下限)を割り込む場合は、その後で大きく下落すると考えている。

 チャートには、サポート・ライン(ピンクの破線)を加筆した。2007年頃から現在(2012年)に至るまでで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すために、加筆した。

 7月上旬に、ネック・ラインと想定する1.2300ドル程度を完璧に割り込み、安値は1.20ドル台ミドルの安値をつけている。

 しかし、「ネック・ラインは1.1850ドル~1.2300ドル程度のゾーンのどこかにある」と推測できるが、まだ明確にネック・ラインを割り込んだとは言えない状態が続いていた。

 月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、米国のQE3実施を材料に、中長期のレジスタンス・ライン(一番右の「緑の破線」)を上に抜けた。

 つまり、「買いシグナル」を発した状態である。

ユーロ/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)

 

(出所:米国FXCM なお、ユーロが発足した1999年より前のチャートはECU(欧州通貨単位)を代わりに使ったチャートになっている模様(ザイFX!編集部))

 確かに、テクニカル分析(チャート分析)だけで判断するなら「ユーロ買い・米ドル売り」となるのだろうが、大局で見るならば、今回のこの「買いシグナル」には従わない方が良い、と考えている。

 もう一段、ユーロ/米ドルが上昇する可能性があるが、いずれ改めてユーロ/米ドルが下落することで、一番右の「緑の破線」が、もう少し緩やかなレジスタンス・ラインに修正される格好になるのではないか、と考えている。

 続いて、ユーロ/米ドルの…

松田哲の「FX一刀両断!」
松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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