■現在のユーロ/米ドル相場は、異常な状態が続いている
続いて、ユーロ/米ドルの週足チャートをご覧いただきたい。
かなり長い期間のユーロ/米ドルの週足チャートを見ても、先に月足チャートで見た場合の、「高値圏での乱高下の部分」だけしか表示していないことに、留意する必要がある。
(出所:米国FXCM)
つまり、2007年、2008年頃から現在に至るまでのユーロ/米ドルは、かなり激しく大きな上下動を、頻繁に繰り返している、ということに注意が必要だと考える。
別な言い方をすれば、2007年、2008年ごろから現在までのユーロ/米ドルは、かなり頻繁にトレンド転換が起こっているということだ。
通常は、これほど頻繁にトレンド転換は起こらないのだが、現在の相場は異常な状態が続いているということである。
■2011年4月にレジスタンス・ラインを上抜けるも、すぐ急落
ユーロ/米ドルは、2011年4月上旬に中長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を上に抜けた。
なお、「赤の破線(細線)」は「赤の破線(太線)」の平行線である。
(出所:米国FXCM)
このレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を上に抜けた時点では、「買いのシグナル」を発したと考える。そして、その「買いシグナル」のとおりに急騰した。
しかし、2011年5月5日以降大きく急落し、改めて中長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」が出現した。
なお、「青の破線(細線)」は「青の破線(太線)」の平行線である。
(出所:米国FXCM)
■2011年9月にサポートラインを割り込んだが、その後急騰
俯瞰して見ると、ユーロ/米ドルは2010年6月の安値1.18ドル台を起点に上昇している。
そのサポート・ラインは、「ピンクの破線(太線)」で示すことができる。
なお、「ピンクの破線(細線)」は、「ピンクの破線(太線)」の平行線である。
ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「青の破線(太線)」と、サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」で挟まれて、大きな「三角保ち合い(ウェッジ)」を作っていた。
そして、2011年9月9日に、このサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を下に割り込んだ。
(出所:米国FXCM)
このサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を明確に下に割り込む場合は、「売りシグナル」である。
つまり、ユーロ/米ドルはサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んだ時点で、「売りシグナル」を発した。
「売りシグナル」を発したユーロ/米ドルは、1.31ドル台にまで大きく下落したのだが、2011年10月下旬にユーロ危機に対する包括案が合意に達したことを材料に、1.42ドル台にまで急騰した。
しかし大局で見れば、週足チャートに表示したレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けない限り、トレンドは変わらない。
ユーロ/米ドルは、2011年10月下旬に1.42ドル台にまで急反発したが、2011年10月31日に1.38ドル台にまで急落したことで、改めて「売りシグナル」を発したと考える。
■1.26ドル台ミドルを上抜けし「買いシグナル」点灯中
2011年10月31日に改めて、「売りシグナル」を発した後は、1.26ドル台にまで大きく急落した。つまり、2011年10月31日のシグナルどおりに動いたと言える。
1.26ドル台を見てからは大きく反発上昇しているが、この反発上昇は調整の反発にすぎないと考え、「改めてトレンドに従い下落する」と考えていた。
その後の値動きで、1.26ドル台を割り込み、安値を更新したことで、その時点で「1.26ドル台から1.3500ドル近辺までの反発上昇が調整の反発だった」ということが確認できた。
2011年5月5日以降の大きな下落について、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を加筆した。なお、「緑の破線(細線)」は「緑の破線(太線)」の平行線である。
(出所:米国FXCM)
2011年5月5日以降のユーロ/米ドルは、このレジスタンス・ラインの傾き(スピード)で下落していたといえる。
そして、上のチャートを見てわかるように、ユーロ/米ドルがリバウンド(上昇)して、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けている。
そして、レジスタンス・ラインを上に抜けたので「買いシグナル」を発した。
上の週足チャートで見る限りでは、ユーロ/米ドルが、もう一段上昇する可能性を示唆している。
しかし、個人的には、欧州債務危機を考えると、ユーロ買いでついていくことはやめるべき、と考える。
また、上のチャートに「紫の破線(太線)」で「緑の破線(太線)」よりも傾きの緩やかなレジスタンス・ラインを表示している。「紫の破線(細線)」は「紫の破線(太線)」の平行線だ。
この「紫の破線(太線)」をレジスタンス・ラインと考えると、ユーロ/米ドルの下落トレンドに変化がないことになる。
続いて、別のラインなどを書き入れた…
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