街のど真ん中にある大通りを完全に交通規制して、自転車の大集団が高速で駆け抜ける──そんな、大胆な自転車ロードレースがあるのをご存じだろうか?
先ごろ、2012年10月20日(土)に宇都宮で行われたジャパンカップクリテリウム。これが日本では極めて珍しい、そんなレースの1つだ。
クリテリウムというのは街中の短めな周回コースを何度も回る自転車ロードレースの形態で、周回コースだから観客は選手たちの走る姿を何度も目にすることができる。
…とここで、さらに話を進める前に、なぜザイFX!が自転車ロードレースを取り上げるのか、そこのところをまず、説明しておこう。
■世界トップレベルにあるサクソバンクの自転車チーム
日本のFX会社の1つにサクソバンクFX証券があるが、その親会社がデンマークを本拠地とし、世界的に事業を展開しているサクソバンク(SAXO BANK)だ。
そのサクソバンクがスポンサーとなっている自転車チームが世界トップレベルのチームの1つなのである。チーム名を「チーム・サクソバンク・ティンコフバンク」(以下、長いのでチーム・サクソバンクと略)という。
このチームはサブスポンサーが何度か変わっているのだが、2012年の途中からサブスポンサーとなっているのがチーム名の後半についている「ティンコフバンク」だ。ロシアのクレジットカード会社である。
サクソバンクとチーム・サクソバンクについては、以前、ザイFX!で公開した以下の記事などもご参考に。
【参考記事】
●チーム・サクソバンクが優勝! ザイFX!記者のジャパンカップ観戦記
●ツール・ド・フランスで有力視されるサクソバンク(SAXO BANK)とは?(1)
●ツール・ド・フランスで有力視されるサクソバンク(SAXO BANK)とは?(2)
そのチーム・サクソバンクが日本の宇都宮で開かれる自転車ロードレース、ジャパンカップに出場するというので記者は今回、宇都宮に駆けつけたのだった。
「ジャパンカップ」と呼ばれる自転車イベントでは一般参加者が走れるレースなども含め、さまざまなレースが行われるのだが、本番と言える最高峰のレースは宇都宮市郊外の森林公園で10月21日(日)に行われたジャパンカップサイクルロードレース。
そして、その前日に宇都宮市の市街地ど真ん中で行われた前哨戦が冒頭で書いたジャパンカップクリテリウムなのである。
■街のど真ん中、PARCOのすぐそばからレースはスタート
10月20日(土)午前11時ごろ、レースが始まる4時間以上前にJR宇都宮駅に降り立った記者はとりあえず、宇都宮名物の餃子を食べると、JR宇都宮駅から延びている「大通り」を歩いてみた。
最初は人通りもそれほど多くなかったが、しばらく歩くと、道路と歩道の間に青いフェンスが並び始め、次第に人が増えてきた。フェンスの内側には早くも陣取っている人もちらほらいる。フェンスが並んでいるということは、ここがレースが行われる通り沿いということである。
そして、人がかなり増えてきたな~と思ったところが宇都宮PARCOの斜め前の地点だった。ここがレースのスタート/ゴール地点に当たるのだ。
PARCOといえば、たいてい街の真ん中にあるものだろう。地元にPARCOがある人は、その真ん前の道路を完全封鎖して、自転車が疾走するシーンを思い浮かべてみてほしい。

ジャパンカップクリテリウムのスタート/ゴール地点となった宇都宮PARCO前
東京だったら、渋谷PARCO前の公園通り、池袋PARCO前の明治通りでクルマをすべて止め、たくさんの自転車が高速で走り回るレースをやるようなものだ。これはかなりエキサイティングなビッグイベントだとイメージできるのではないだろうか。
そんなレースを一目見ようと、宇都宮の街には各地から自転車ファンが集まってきていた。カラフルな自転車用のジャージを着て、ロードバイクに乗って自宅から“自走”してきた人たちもチラホラいる。
それとともに地元の人々が子どもも大人もジーチャンもバーチャンも今や遅しとレースを待ちわび、大勢、歩道に陣取っているのである。
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