■日銀の金融緩和は市場想定範囲内だった
日米のイベントが続いたが、米ドル/円はどのように動いたのだろうか。今回は、米ドル/円の分析を行なう。
日銀は、10月30日(火)の金融政策決定会合で、市場に出回るお金の量を11兆円増やし、総額91兆円程度とする追加の緩和策を決めた。
日銀の金融緩和は、9月に続き2か月連続となった。
しかし、この程度の緩和策は、市場(マーケット)の想定範囲内であり、インパクトはなかった。
そのため、追加緩和策の発表直後は失望感から、米ドル/円は80.00円近辺から79円台前半に急落した。
(出所:米国FXCM)
しかしながら、今後も引き続き、日銀の金融緩和を多方面から促すことになるのだから、今回の追加緩和の量が想定どおりだったことをもって、積極的に米ドル/円を売るわけにもいかない、と考える。
これで、その時点での目先のテーマであった「日銀の追加緩和策」が終わった。
■米国雇用統計も「予想どおり」の良い結果
次は、11月2日(金)に発表される「米国雇用統計」がテーマとなった。
なお、米国を襲ったハリケーンは、米経済にとっては当然マイナス要因(=米ドル売り材料)だが、「日銀の追加緩和策」「米国雇用統計」「米国大統領選」と大きなイベントが続くので、ハリケーンはそれほど相場に影響しない、と考える。
「日銀の追加緩和策」発表後から「米国雇用統計」に至る間は、米ドル/円がジリジリと上昇している。
「11月2日(金)発表される『米国雇用統計』は、米国大統領選に向けて、現職大統領をサポートする数字が発表されるのではないか?」といった思惑がマーケットにあったので、米ドル/円がジリ高になった、と考えている。
個人的な思惑にすぎないが、私も11月2日(金)の「米国雇用統計」は、良い数字(=オバマ大統領にとって都合の良い数字)が発表されるのだろう、と考えていた。
そして、11月2日(金)に発表された「米国雇用統計」は、以下のとおり。
米国失業率は、前月(9月)が7.8%、10月は事前予想の7.9%に対し、発表された結果は7.9%。
非農業部門雇用者数(NFP)は、前月(9月)の+11.4万人が+14.8万人に上方修正。10月は事前予想の+12.5万人に対し、発表された結果は+17.1万人。
今回の雇用統計を評価するなら、失業率は事前予想どおり。
非農業部門雇用者数(NFP)は、前月の上方修正を含めて、非常に良い数字だった。
現政府からの、何かしらの力が働いているのだろう、と想像している。
11月2日(金)の「米国雇用統計」は、そういった意味で事前の予想どおりだった、と考える。
これで「米国雇用統計」が終わったので、先週の金曜日(11月2日)の時点ですでに、マーケットのテーマはその次のイベントである「米国大統領選挙」に移っている。
■米国大統領選挙も想定どおりのオバマ氏再選
昨日11月6日(火)が選挙日で、本日(11月7日)東京時間午後に大勢が判明した。
オバマ大統領の再選がメイン・シナリオだった、と考えるが、事前の予想どおり。
オバマ再選なので、これまでの流れが続くと考える。
つまり、外国為替市場で考えるならば「米ドル買い」方向へ力が働く、と考えるが、極端に大きな影響があるのではなく、その方向に「微風」と考える。
逆に、オバマ大統領が負ける場合は想定外なので、混乱が予想される、と考えていたが、それは杞憂だった。
大統領選挙の速報で、80.00円を挟み上下動したが、今のところ大勢に影響はない、と考える。
続いて、月足チャートで中長期のトレンドを…
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