■直近のユーロ/円は「売りシグナル」を発して下落
今回は、ユーロ/円の分析を行なう。まず、下の4時間足チャートをご覧いただきたい。
直近のユーロ/円は「赤の破線」で示した「安値99.50円-高値104.50円のボックス相場」を形成している、と考える。
以前は「安値99.50円-高値104.00円のボックス相場」と考えていたが、このところの値動きで、104.50円近辺がレジスタンス(上値抵抗)と考え直した。
(出所:米国FXCM なお、ユーロが発足した1999年より前のチャートはECU(欧州通貨単位)を代わりに使ったチャートになっている模様(ザイFX!編集部))
チャートには、4本の「短期のサポート・ライン」を「緑の破線」で表示している。
これらの「短期のサポート・ライン」(緑の破線)を割り込む場合は、それぞれ「売りシグナル」を発した、と考えている。
「売りシグナル」を発して下落し、その後反発することで、新たな「短期のサポート・ライン」(緑の破線)が現れた様子がわかる。
チャートに示したように、4本目の「短期のサポート・ライン」(緑の破線)を割り込み、改めて「売りシグナル」を発した。
■ユーロ/円の下落が米ドル/円の売り圧力に
「米国大統領選挙」が終わったので、「米ドルの動向」がメイン・テーマになるだろう、と考えていた。
つまり「クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)取引」に手を出さずに、「米ドル/円取引」、「ユーロ/米ドル取引」などの「ストレート取引」に集中する方が得策と考えたわけだ。
ユーロ/米ドルが下落し、ユーロ/円が下落したのは個人的には思惑どおりなのだが、ユーロ/円の下落の方がユーロ/米ドルの下落よりも激しいのは、少々意外に感じている。
直近の値動きでは、ユーロ/円が下落したことで「米ドル/円に売り圧力を与えている」と考える。
言い換えれば、クロス円が、米ドル/円(ドル・ストレート取引)に影響を与えている状況だ、ということである。
■ユーロ/円は100.00円が重要なポイントとなる
先にも述べたとおり、ユーロ/円は「安値99.50円-高値104.50円のボックス相場」を形成している。
(出所:米国FXCM なお、ユーロが発足した1999年より前のチャートはECU(欧州通貨単位)を代わりに使ったチャートになっている模様(ザイFX!編集部))
よって、ユーロ/円ショート(ユーロ/円の売り持ち)の場合は、いったん「99.50円の内側(つまり99.50円-100.50円のゾーン)」で利食いの買戻しを行ない、99.50円を明確に下に抜ける場合は、改めてユーロ/円ショート(ユーロ/円の売り持ち)を作る、と考える。
ユーロ/円の100.00円は、キリの良い数字であり、「ユーロ/円が、3ケタの数値になるのか、2ケタの数値になるのか」ということもあって、市場参加者にとっても心理的に重要なポイントである。
また、ユーロ/円の100.00円には、為替オプション取引が集中していると考える。
為替オプション取引が集中するキリの良い数字には、その前後の50ポイントにも為替オプション取引が集中する。つまり、100.50円、100.00円、99.50円に、為替オプション取引が集中している、ということだ。
■「ギリシャ問題」再注目で、ユーロが下落
ユーロが、対円、対米ドルで下落しているのは、米国大統領選挙を終えて「ギリシャ支援問題」がクローズアップされているからだ。
一昨日(11月12日)、ベルギーのブリュッセルでユーロ圏財務相会合が開催され、ギリシャへの支援策について、緊縮策の達成期限を2年間延長することに合意したが、次回融資の承認は先送りとなった。
総じて述べるならば、「2016年にかけて、ギリシャに対して追加支援が必要になる可能性」の内容が示されたことが「ユーロ売り」の材料となっている。
続いて、月足チャートで長期のトレンドを…
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