■買いシグナル点灯も、トレンド転換かは判断できず
今回は、ユーロ/円の分析を行なう。
ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値をつけてから、下落に転じた。
そして月足チャートで見ると、2008年の高値を起点としたレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けたのだが、この時点では結局トレンド転換が起こらなかったと判断したので、2011年4月の高値に合わせたレジスタンス・ライン「緑の破線」を表示した。
(出所:米国FXCM なお、ユーロが発足した1999年より前のチャートはECU(欧州通貨単位)を代わりに使ったチャートになっている模様(ザイFX!編集部))
つまり、レジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けた時には、ユーロ/円は下落トレンドのままで、上昇トレンドに転換していない、と判断した。
しかし、改めて引き直した一番右の中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は「買いシグナル」なので要注意、と考えていた。
先月(11月)下旬に、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜け、「買いシグナル」を発したと考える。
この「買いシグナル」は、トレンド転換の可能性があるが、現時点では「ユーロ安・円高トレンド」から「ユーロ高・円安トレンド」に転換したのか否か、まだ判断ができないと考える。
■2008年秋に「ヘッド&ショルダー」完成後、大暴落
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/円は、2006年半ばから2008年半ばにかけて「下限149円程度、上限170円程度」の「ボックス相場」を作った。下のチャートでは、この「ボックス相場」を「青の枠」で表示している。
(出所:米国FXCM)
この「ボックス相場」は結果的に「ヘッド&ショルダー(※)」を完成し、その後の大暴落(クラッシュ)の原因となった。
2008年の大暴落(「ヘッド&ショルダー」のクラッシュ)で、安値は2009年初めに112円台をつけている。
安値の112円台から140円近くまで大きく反発しているが、改めて大きく下落し、2010年5月に112.00円を下に割り込んだことで、その時点で再度「売りシグナル」を発した、と考える。
しかし、112.00円を割り込んで以降のユーロ/円は、2010年4月ないし5月頃から2011年3月28日(月)に至る期間、「下値105円程度、上値116円程度のボックス相場」を形成した。
再掲載した下のチャートでは、この下限105円程度、上限116円程度の「ボックス相場」を「赤の枠」で表示している。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで人の頭と両肩に見立てたもの。天井を示す典型的な形とされている。「三尊型」「三尊天井」などとも呼ばれる)
(出所:米国FXCM)
■2011年3月のG7介入で「買いシグナル」点灯
ユーロ/円の大きな下落トレンドを考えると、下値の105円を下に抜ける可能性が高いと考えていたのだが、2011年3月のG7(先進7カ国)による協調介入により、相場の流れが変わったと考える。
2011年3月29日(火)に、ユーロ/円は116.00円を上に抜けて、この時点では「買いシグナル」を発した、と考える。
116.00円を上に抜けて上伸したユーロ/円だが、高値は123円台ミドル程度で、改めて上値が重い展開に変化した。
(出所:米国FXCM)
その後、2011年5月6日(金)にユーロ/円は…
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