■米ドル/円86円台への急騰は「クリスマス相場」が要因
日本の『衆院解散の決定(2012年11月14日)』をきっかけに、米ドル/円は大きく上昇した。以下の米ドル/円 4時間チャートにその状況を示している。
(出所:米国FXCM)
日足チャートで見ると、米ドル/円は、昨年(2012年)の4月下旬ごろから11月下旬までおよそ半年にわたり、80円台ミドル程度が強いレジスタンス(抵抗)だった。
(出所:米国FXCM)
「衆院解散の決定(2012年11月14日)」以降、新政権(安倍新内閣)のもとでの金融緩和が強く期待され、米ドル/円は上昇し、80円台ミドルを上に抜けて「買いシグナル」を発した。
その後、米ドル/円はその「買いシグナル」に従って上昇し、再掲載した4時間足チャートに示したように「81円台ミドル-82円台後半のボックス相場」を形成した。
(出所:米国FXCM)
このボックス相場も上に抜け、さらに「買いシグナル」を発し、さらなる上昇を続けている。
2012年12月16日(日)の衆院選挙では、事前の下馬評どおりに安倍新政権が発足する結果となり、週明け12月17日(月)の米ドル/円は「窓(Gap)」を空けて、84円台へ上昇した。
この「窓(Gap)」は、すぐに「窓埋め」を完了している。
クリスマス前は、84円台程度での小動きに終始したが、クリスマス明けの12月26日(水)には新政権発足への期待から、米ドル/円は再び「窓(Gap)」を空けて85円台に上昇した。
そして、この「窓(Gap)」は「窓埋め」を完了していない。
その後は、年末の市場参加者が極端に少ないなか、85円台から86円台ミドルで上下動している。
84円台後半から86円台への急騰は、年末で市場参加者が極端に少ないことが一番の要因で、取引が薄いなかを跳ね上がった、と考えている。
つまり、クリスマス相場(年末年始相場)特有の「値を飛ばすような値動き」と考えている。
■米の「財政の崖」回避法案可決で米ドル/円はもう一段上昇
年末年始の相場では、米ドル/円が、一段と上昇した。
米下院議会で、1月1日(火)に「財政の崖」を回避するための法案が可決されたことが材料となり、「米ドル買い」となった。
米ドル/円は再び「窓(Gap)」を空けて87円台に上昇した。
この「窓(Gap)」もまた、「窓埋め」を完了していない。
ただし、今回の法案可決は、強制的な歳出削減の開始を2カ月先延ばししただけで、問題を先送りしたにすぎない、とも言える状況である。
見てのとおり、米ドル/円は強烈に…
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