■材料出尽くしで調整下落局面に入ると予測
期待された「日銀の金融政策決定会合」の内容が発表された。
日銀は、消費者物価の2%上昇をめざすインフレ目標の導入を決めた。
目標値は政府・日銀の政策連携強化に向けた共同文書に明記し、「共同声明」として発表。
2%の物価目標の達成時期については具体的明示はせずに、日銀が「できるだけ早期に実現することをめざす」とした。
また、2012年12月の前回会合に続く金融緩和も決めた。
国債などを買い入れる基金の残高は10兆円程度増え、総額111兆円になる。
今回の「日銀の金融政策決定会合」に関しては、事前に「2%のインフレ目標」と「追加緩和」が期待されており、その内容としては事前予想どおりと考える。
マーケットは「2%のインフレ目標」と「追加緩和」を前提に動いていたのだから、想定の範囲内で特段のサプライズはない、と考える。
とりあえず、目先は材料の出尽くし感がある。
つまり、大局での「円安」は今後も長期にわたる、と考えるが、このところの米ドル/円の上昇スピードが速かった(速すぎた)、と考えるので、調整下落局面に入るのではないか、と考える。
■年末年始の米ドル/円は3回窓を空けて上昇した
下の4時間足チャートをご覧いただきたい。
衆院選挙の翌日、2012年12月17日(月)の米ドル/円は、安倍新政権への期待から「窓(Gap)」を空けて84円台へ上昇した。
なお、この「窓」は、すぐに「窓埋め」を完了している。
(出所:米国FXCM)
さらに、クリスマス明けの2012年12月26日(水)には、新政権発足を材料に、再び「窓」を空けて85円台に上昇した。
この「窓」は、「窓埋め」を完了していない。
そして、2013年の年初に米下院議会で「財政の崖」を回避するための法案が可決されたことが材料となり、米ドル/円はさらなる「窓」を空けて87円台に上昇した。
この「窓」も、「窓埋め」を完了していない。
ただし、この法案可決は、強制的な歳出削減の開始を2カ月先延ばししただけで、問題を先送りしたにすぎない、とも言える状況である。
衆院選挙後、ないしは安倍新政権誕生後の米ドル/円は、その上昇スピードを一段と加速させている。
再掲載した下のチャートには、そのスピードの変化を示すために、サポート・ライン(紫の破線)を表示している。
(出所:米国FXCM)
■86円台後半の「窓埋め」は非常に近い将来起こるだろう
見てのとおり、米ドル/円は強烈に上昇した(上昇している)、と言える。
しかし、11月中旬からの、この上昇スピードはかなり速かった(速い)ので、しかるべき「調整の下落」があるだろう、と考えている。
上のチャートに示したように、2つの「窓埋め」を完了せずに米ドル/円が急上昇している様子は、明らかに「スピード違反」だ。
これらの2つの「窓」は、非常に近い将来に「窓埋め」をするだろう、と考えている。しかし、90円台の高値をみたので、1つめの「窓」(85.00円近辺)はかなり遠くなった、と判断する。
つまり、86円台後半の「窓埋め」は引き続き、非常に近い将来起こるだろうと考えるが、85.00近辺の「窓」は「窓埋め」を完成しない可能性が出てきた、と考える。
別な表現をするのならば…
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