今週は「豪ドル/円」の現状分析を行なう。
月足→週足→日足→4時間足の順に見ていこう。
■1992年から2012年まで値幅約13円のボックス相場を形成
月足チャートでは、過去から現在までの大局を確認しよう。
その前に、まず直近の部分に注目すると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、下値72円-上値90円の「紫の破線」で囲んだボックス相場を上に抜けて「買いシグナル」を点灯させたことがわかる。
(出所:米国FXCM)
それでは過去のトレンドを見ていこう。
全体を俯瞰してみると、豪ドル/円は下値55円-上値108円の大きなレンジの中で、上下動する大きなボックス相場を形成していることがわかる。
この大きなボックス相場の中を詳しく見てみると、1992年から1995年までレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って下落。
1995年から1997年まではサポート・ライン「緑の破線」に沿って上昇。
1997年から2000年まではレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って下落。
2001年から2007年までサポート・ライン「緑の破線」に沿って上昇し、2008年には垂直に近い急角度のレジスタンス・ライン「緑の破線」が現れるような大暴落を起こしている。
■2013年の年初にボックスを上抜けして「買いシグナル」点灯
その後はV字回復したものの長い上昇には至らず、2009年以降は右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇を続け、「紫の破線」で囲んだ下値72円-上値90円のボックス相場の中で動いていたのだが、2013年の年初にボックスを上に抜けて「買いシグナル」を点灯させた。
上昇の勢いが激しすぎる感じがするが、まだ下落の兆候はない。
今の時点でわかっていることを整理すると、
1.右端のサポート・ライン「緑の破線」が生きている
2.上昇トレンドが鮮明になった
3.買いシグナルが点灯している
ということになる。
■2008年秋にヘッド・アンド・ショルダーを完成させ大暴落
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。
週足チャートではまず、チャートの左側に生じているヘッド・アンド・ショルダー(※)から見ていく。
(※編集部注:「ヘッド・アンド・ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼ばれていて、仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ぶこともある)
(出所:米国FXCM)
下値88円(緑の水平線)-上値108円(緑の水平線)の20円幅のボックス相場の中でヘッド・アンド・ショルダーを完成させると、セオリーどおりに大暴落を起こし、ターゲットであった20円下の68円を通り越して、オーバーシュート気味に55円まで大きく下落した。
55円まで下落した後、下値55円(緑の水平線)-上値72円(緑の水平線)の下値保ち合いを短期間続け、1本目のサポート・ライン「ピンクの破線」に沿った上昇が始まった。
■2009年から2012年までは72円-90円のボックス相場
次に、2009年から続いている「紫の破線」で囲った「下値72円-上値90円のボックス相場」を解説しよう。
(出所:米国FXCM)
1本目のサポート・ライン「ピンクの破線」に沿った上昇は、2010年春ごろ、このサポート・ラインを割り込むことで終わり、その時点では下落トレンドに転換した。
この下落トレンドは72円(緑の水平線)でサポートされ、72円にタッチしたところで再び上昇に転じた。
その結果、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」が現れた。
このサポート・ラインに沿った上昇がしばらく続いたのだが、2011年3月に米ドル/円が急落したことにつられて豪ドル/円も大きく下落したことで、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した。
ところが、すぐにG7(7カ国)による米ドル/円の協調介入が行なわれたために、その影響を受けて豪ドル/円も90円まで強烈に担ぎ上げられた。
しかし、介入の効果が薄れてくると徐々に垂れ下がり、再び2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割って、改めて「売りシグナル」を発した。
この2度目の「売りシグナル」に従い相場は大きく下落し、2011年3月の米ドル/円の急落につられて記録した豪ドル/円の安値と過去の最安値を結んだ便宜上の3本目のサポート・ライン「赤の破線」も下に破って下落した。
しかしこの時も、72円でサポートされて88円台にまで反発上昇し、再び下落。
今回は72円(緑の水平線)まで届かないうちに反発し、4本目のサポート・ライン「青の破線」が現れた。
結果的には2009年からおよそ3年半にわたって「紫の破線」で囲った下値72円-上値90円のボックス相場を作っていたのだが、2013年年初に、ボックスを上に抜けた。
(出所:米国FXCM)
ボックス相場のセオリーに従えば、18円幅のボックスを上に抜けたので、上限の90円から18円上昇した108円(緑の水平線)がターゲットになる。
このターゲットは、週足の冒頭で解説したヘッド・アンド・ショルダーの上値108円(緑の水平線)と、不思議と一致している。
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