■2012年11月中旬以降の急上昇が持続している米ドル/円
今回は、米ドル/円の分析を行なう。下の4時間足チャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
短期のチャートを見ると、米ドル/円は強烈に上昇した(上昇している)、と言える。
昨年末(2012年12月末)から年初(2013年1月初)では「窓(Gap)」を3回作り、急上昇している。
この3つの「窓」のうち、1つめの「窓」は「窓埋め」を完了しているが、残りの2つは、「窓埋め」を完了していない。
「窓埋め」をする場合は比較的短時間で窓埋めを完了するので、これだけ時間が経過すると、「窓埋め」をしない(できない)パターンであると判断する。
「窓」は、強い上昇を示す「買いシグナル」である。
この「窓」は、後々のしかるべき調整局面での下値のメドになる、と考える。
2012年11月中旬(衆院解散が決定した11月14日)以降の米ドル/円の上昇スピードは、通常の値動きではなく、かなり速かった(速い)ので、しかるべき「調整の下落」があるだろう、と考える。
4時間足チャートに示した短期のサポート・ライン「ピンクの破線」の傾きは、通常のマーケットと比べるとかなりの急勾配である。そしてその期間もかなり長い。つまり上昇が持続している状態である。
■日銀の政策決定での調整下落では下がりきらなかった
1月の日銀政策決定会合より前のマーケットでは、日銀の「インフレターゲット2%」「追加の金融緩和」が強く期待され、米ドル/円は、上昇傾向を保っていた。
だから、1月の日銀の政策決定会合(1月21日、22日)までは、米ドル/円を売るのは得策ではない、と考えていた。
1月の日銀の政策決定会合が終了してからは、「調整局面」に突入する可能性が高まった、と考えた。
1月の日銀政策決定会合終了直後に、88.00円近辺まで下落したのは上記の調整下落が原因、と考える。
88.00円を明確に下抜けできなかったので、目先で調整下落を期待して米ドル/円を売った向きの買い戻しが出て、その結果、90円台前半に乗せて、この時点での新高値を更新した。
この新値更新(90円台前半)で「買いシグナル」を発し、米ドル/円はさらなる上昇を続けた。
1月の日銀政策決定会合の前後では、再掲載した下のチャートに表示したように、「ボックス相場」を作っていた、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、この「ボックス相場」を上に抜けて「買いシグナル」を発した、と考える。
■日銀総裁早期辞任発表、米財務次官発言でたびたび上昇
「買いシグナル」に従い、93円台をつけてから、いったん調整気味に92.00円近辺まで下落したが、白川日銀総裁が早期辞任を発表したことを材料に、再度急上昇して94円台をつけた。
94円台をつけてから92円台前半にまで、いったん急落していたが、2月11日(月)のニューヨーク市場午後になって、ブレイナード米財務次官が、「米国は成長とデフレ脱却を目指す日本の努力をサポート」「特殊な場合を除き、市場が決定する為替レートを強くコミット」と発言したことを材料に、再度「円売り」となり、94円台に急騰した。
そして、94.20円近辺にあったストップ・ロス(損切り)をつけて、94円台ミドルにまで上昇している。
94円台ミドルをつけてからは、G7…
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