■直近の豪ドル/米ドルは「売りシグナル」点灯
今回は「豪ドル/米ドル」の現状分析を行なう。
今回も月足→週足→日足→4時間足の順に見ていこう。
まず、月足チャートで直近の動きを見ると、豪ドル/米ドルは「紫の破線」で囲んだ、下値0.95ドル近辺-上値1.1ドル近辺のボックス相場の中に留まりながら、徐々に一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に近づき、3月に入って中長期のサポート・ラインを明確に割り込み、「売りシグナル」を点灯させたことがわかる。
(出所:米国FXCM)
それでは過去のトレンドを確認しよう。
1996年ごろから、1本目のレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿った下落が起こり、2001年ごろに底を打って、1本目のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇に変わった。
2008年後半に、1本目のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み大暴落。
ここで、この1本目のサポート・ラインは、その役割を終えた。
大暴落は、急角度の2本目のレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って起こったのだが、すぐに反発して、再び新たな上昇が一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に沿って始まった。
その上昇はパリティ(1.0000ドル)を超えて、1.10ドル台の過去最高値をつけ、高値圏でのもみ合いに変わった。
しかし、大きく崩れることはなく、再び一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に沿った上昇が始まった。
そして、高値圏に到達したところで乱高下を繰り返し、「紫の破線」で囲んだボックス相場を作っている。
現在は、冒頭でも書いたようにボックス相場の中に留まっているものの、直近の安値に合わせて何度か描き直した中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込んで、「売りシグナル」を点灯させていることが明確になっている。
■2008年最安値からはフラッグを完成させて上昇
続いて週足チャートでは、2008年以降の上昇の様子を振り返る。
まず、直近の部分に注目していただきたい。
先の月足チャートに描かれている中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込んで「売りシグナル」を点灯させた様子が、はっきりとわかる。
(出所:米国FXCM)
次に、2008年の最安値0.6000ドルから1.1000ドルに達する大きな上昇を、すでに完成した「フラッグ」で説明する。
2008年の最安値0.6000ドルから始まった上昇は、「赤の破線」で示した「フラッグ」を完成させて、セオリーどおりに1.1000ドルに届いた。
ここでフラッグの役割は終わり、フラッグの完成後は、「ピンクの水平線」で示した0.9400ドルまで下落した。
その後は、0.9400ドルから強烈に反発して、乱高下を繰り返した。
冒頭で書いたように、結果的には2008年から続く大きな上昇に伴って現れた中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に沿って、上下動を繰り返しながらそれに徐々に近づき、ついにサポート・ラインを割り込んで「売りシグナル」を点灯させた。
■フラッグ完成後は高値圏で乱高下
別のラインなどを書き込んだ下の週足チャートでは、フラッグを完成させた後の高値圏での乱高下を750ポイントのボックス相場で説明している。
(出所:米国FXCM)
「赤い破線」で囲んだ、下値0.9500ドル(青の水平線)-上値1.0250ドル(青の水平線)の750ポイント幅の下のボックス相場を上に抜けたことで、ボックス相場のセオリーどおりに750ポイント上昇した。
その結果、上方に生まれた下値1.0250ドル(青の水平線)-上値1.1000ドル(青の水平線)の750ポイント幅のボックス相場「紫の破線」へシフト(移行)した。
シフト後は、「紫の破線」で囲んだボックス相場の中で上下動を繰り返しながら下落して、下限(ネック・ライン)である1.0250(青の水平線)を下に割り込むと、やはり、ボックス相場のセオリーどおりに、750ポイント下落して、0.9500ドル(青の水平線)に到達した。
安値は0.9400ドル割れを見ている。
その後は、1.0250ドル(青の水平線)近辺を中心として上下動を繰り返しながら、今回の安値に合わせて引き直した中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を点灯させている。
下の週足チャートでは、ボックスの値幅を1500ポイント…
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