■調整の可能性があるが、値幅と長さは断定できない
日足チャートで見ると、2012年11月以降の米ドル/円の上昇スピードがあまりに速すぎる、と考えている。
(出所:米国FXCM)
週足チャートの解説で述べたように、現時点での米ドル/円の高値は86.70円程度であるから、「下限75.32円-上限86.00円のボックス相場」を上抜けしたターゲットをすでに「完璧に」達成したこともあって、一服感があると考える。
現時点での高値水準(95円台、96円台)は、「米ドル買い・円売り」でついていくのではなく、調整を待つところ、と考えていたが、サポート・ライン(3)「ピンクの破線(太線)」を割り込み、「売りシグナル」を発したことで、調整局面に入った可能性がある。
2012年11月以降の米ドル/円の上昇過程では、何回か「調整局面に入ったのではないか?」と思われる場面があったが、その調整局面は非常に短時間で反転上昇し、調整らしい調整が起こっていない。
今回もそのような可能性がある、と考える。つまり、調整が非常に短時間で終わり、反転上昇する可能性がある。
しかし、「調整の大きさ(値幅)」と、「調整の時間(調整がどれくらい続くのか)」は、事前には誰にもわからない。
「調整の大きさ」と「調整の時間」は、市場参加者の保有するポジションが、どれくらい残っているのかによるので、事前には判断不能だ。
また、その保有ポジションのコストによって、市場参加者の行動パターンが変化するので、事前に判断ができないのだ。
謙虚に、現実を観察するべきところであると考えている。
■現在は短期的にみると93.50円-96.70円のボックス相場
最後に、4時間足チャートをご覧いただこう。
米ドル/円は、2013年2月25日(月)に大きく急落した。
この急落で「売りシグナル」を発した、と考えたのだが、91.00円近辺をボトム(底値)に、反転上昇した。
(出所:米国FXCM)
結果的に米ドル/円は「緑の破線」で示した「91.00円-94.50円程度のボックス相場」を形成した。
そして、3月7日(木)のニューヨーク市場で、それまでの高値(94円台ミドル)を更新したことで、「買いシグナル」を発した、と考える。
当然ながら、新たな「買いシグナル」であるから、2月25日(月)の「売りシグナル」は否定される。
2012年11月中旬(衆院解散が決定した11月14日)以降の米ドル/円の上昇スピードは、通常の値動きではなく、かなり速かったので、しかるべき「調整の下落」があるだろう、と考えていた。
そして、2013年2月25日(月)に調整局面に入った可能性が高い、と考えたが、調整の下落は長続きせずに(事実上、たった1日の調整で)上昇に転じ、本来の上昇トレンドに戻った、と考える。
短時間のチャートで、直近の値動きを見ると、「下限93.50円-上限96.70円」のボックス相場(赤の破線)と考えることもできる。
(2013年03月27日 東京時間10:40記述)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)