■豪ドル/円は月足チャートで「買いシグナル」点灯中
今回は豪ドル/円の分析を行なう。まず、下の月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。
(出所:米国FXCM)
月足チャートを見ると、全体では上昇しているものの、「上ひげ」が出ており、上値に抵抗があった様子が読み取れる。
過去のトレンドを見ると、以下のとおりだ。
全体を俯瞰してみると、豪ドル/円は「下値55円-上値108円」の大きなレンジの中で、上下動する大きなボックス相場を形成していることが読み取れる。
この大きなボックス相場の中を詳しく見てみると、1992年から1995年までレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って下落。
1995年から1997年まではサポート・ライン「緑の破線」に沿って上昇。
1997年から2000年まではレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って下落。
2001年から2007年までサポート・ライン「緑の破線」に沿って上昇し、2008年には垂直に近い急角度のレジスタンス・ライン「緑の破線」が現れるような大暴落を起こしている。
そして、2009年からは上昇に転じている。
2009年半ばから2012年までの長い期間、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇を続けながら、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を形成した。
そして、冒頭で述べたように、「紫の破線」で囲んだボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」が点灯し、シグナルどおりに上昇している。
■2008年秋にヘッド・アンド・ショルダーを完成させ大暴落
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。
週足チャートでは、チャートの左側に描かれているヘッド・アンド・ショルダー(※)から見ていく。
(※編集部注:「ヘッド・アンド・ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド・アンド・ショルダー」と呼ばれていて、仏像が3体並んでいるように見えるために「三尊型」と呼ぶこともある)
(出所:米国FXCM)
「下値88円(緑の水平線)-上値108円(緑の水平線)」の20円幅のボックス相場の中でヘッド・アンド・ショルダーを完成させると、セオリーどおりに大暴落を起こし、ターゲットであった20円下の68円を通り越して、オーバーシュート気味に55円まで大きく下落した。
55円まで下落した後、「下値55円(緑の水平線)-上値72円(緑の水平線)」の下値保ち合いを短期間続けた。
■2009年から2012年までは72円-90円のボックス相場
次は「紫の破線」で囲った「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」の解説を行なう。
最初の上昇は、一番左の1本目のサポート・ライン「ピンクの破線」に沿って起こった。
(出所:米国FXCM)
この上昇は、2010年春ごろサポート・ラインを割り込んで終わり、「売りシグナル」を発して下落に転換した。
この下落は、72円(緑の水平線)でサポートされ、72円にタッチしたところで再び上昇に転じた。
その結果、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」が現れた。
2本目のサポート・ラインに沿った上昇がしばらく続いたのだが、2011年3月に米ドル/円が急落したことにつられて豪ドル/円も大きく下落し、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した。
ところが、すぐにG7(先進7カ国)による米ドル/円の協調介入が行なわれたために、その影響を受けて豪ドル/円も90円まで強烈に担ぎ上げられた。
しかし、介入の効果が薄れてくると徐々に垂れ下がり…
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