■直近のユーロ/米ドルは1.32ドル台まで反発
今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まず、日足チャートをご覧いただきたい。なお、チャートは更新しているが、日足チャートのコメントの一部は、このところと同様である。
大局で見ると、ユーロ/米ドルは、「ピンクの破線」で示したレジスタンス・ラインに従って下落し、「緑の破線」で示したサポート・ラインに従って上昇している。
(出所:米国FXCM)
2013年に入ってからは、年初から2月にかけて1.3700ドル近辺まで上昇したが、その後は、「青の破線」で示したレジスタンス・ラインに従って、1.27ドル台にまで急落している。
そして、1.27ドル台からは、1.32ドル台に反発している。
続いて、別のラインなどを書き込んだ日足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルは、「ピンクの破線(太線)」で示したレジスタンス・ラインに従って下落していた。
(出所:米国FXCM)
なお、この日足チャートでは過去の高値を示す部分が表示されていないが、日足チャートの足数を増やすと、先の1つ目の日足チャート同様、この「ピンクの破線(太線)」が、レジスタンス・ラインであることがはっきりする。
このレジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」を明確に上に抜けたので、「買いシグナル」を発し急上昇した、と考える。
ユーロ/米ドルが、1.20ドル台から大きく急上昇した理由は、米国のQE3(量的緩和策第3弾)への期待感と、実際にQE3が実施されたことだった、と考える。
ユーロ/米ドルはサポート・ライン(1)「緑の破線」に従い上昇したのだが、このサポート・ラインを割り込み「売りシグナル」を発した。
そして、「売りシグナル」のとおりに下落したのだが、安値1.26ドル台ミドルをつけてから、大きく反発上昇している。
そこで、サポート・ライン(2)「一番右の緑の破線」を追加し、「1.2650ドル-1.3200ドルのボックス相場」(赤の破線)と考えた。
レジスタンス・ライン「ピンクの破線(太線)」を上に抜けて発した「買いシグナル」が1.26ドル台ミドル程度だったので、この考え方は妥当である。
過去のレジスタンス・レベルは、後のサポート・ポイントになることが多いものだ。
そして、その後の値動きではボックス相場の上限、1.3200ドルを上に抜けて、「買いシグナル」を発した。
2012年から2013年にかけての年末年始の相場で…
■年末年始の乱高下は「年末年始相場」が原因
2012年から2013年にかけての年末年始の相場で、1.33ドル台の高値をつけたのだが、年初(1月3日)の値動きで1.31ドル台ミドルを下に抜けて、目先のストップ・ロス(損切り)を巻き込み、一時1.3000ドルを割り込む水準にまで急落した。
(出所:米国FXCM)
しかし、1月10日(木)の欧州中央銀行(ECB)理事会で、金利据え置きが決定された後、ドラギECB総裁が「利下げも議論された前月(2012年12月)の理事会と異なり、今回は全会一致で据え置きが決定された」と述べたことを材料に、ユーロ/米ドルは急上昇している。
これらの値動きは、年末年始のような市場参加者が極端に少ない場合に起こる「乱高下状態」と考える。
2013年年初の値動きでは、ユーロ圏における流動性危機の鎮静化を材料に、ユーロが急騰した。
2013年2月の初めに、高値は1.37ドル台をつけている。
1.3400ドルを越えてからは、ストップ・ロス(損切り)が出たこと、1.3500ドル近辺、1.3600ドル近辺、1.3700ドル近辺ではオプション取引に伴うユーロ買いが出たことが、それぞれ相場を加速させたと考える。
再掲載した下の日足チャートに示したように…
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