■豪ドル/米ドルの月足はボックス相場のなかに留まっている
今回は、豪ドル/米ドルの分析を行なう。
まず、月足チャートからご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、豪ドル/米ドルは、高値圏にあり「紫の破線」で示した「下値0.95ドル近辺-上値1.1ドル近辺のボックス相場」の中に留まっている。
しかし、一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を2012年半ばの安値に合わせると、すでに中長期のサポート・ラインを割り込んで、「売りシグナル」を発したように見える。
(出所:米国FXCM)
チャートを見ながら、過去のトレンドを確認していこう。
1996年ごろから、1本目のレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿った下落が起こり、2001年ごろに底を打って、1本目のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇に変わった。
2008年後半に、1本目のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み大暴落。
ここで、この1本目のサポート・ラインは、その役割を終えた。
大暴落は、急角度の2本目のレジスタンス・ライン「緑の破線」に沿って起こったのだが、すぐに反発して、再び新たな上昇が一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に沿って始まった。
その上昇はパリティ(1.0000ドル)を超えて、1.10ドル台の過去最高値をつけ、高値圏でのもみ合いに変わった。
そして、高値圏に到達したところで乱高下を繰り返し、「紫の破線」で囲んだボックス相場を形成している。
■2008年最安値からはフラッグを完成させて上昇
続いて週足チャートでは、2008年以降の上昇の様子を振り返る。2008年の最安値0.6000ドルから、1.1000ドルに達する大きな上昇をすでに完成した「フラッグ」で説明する。
2008年の最安値0.6000ドルから始まった上昇は、「赤の破線」で示した「フラッグ」を完成させて、セオリーどおりに1.1000ドルに届いた。
(出所:米国FXCM)
ここで「フラッグ」の役割は終わり、この「フラッグ」の完成後は、「ピンクの水平線」で示した0.9400ドルまで下落した。
その後は、0.9400ドルから強烈に反発して、乱高下を繰り返し、結果的には2008年から続く大きな上昇に伴って現れた中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」に沿って、乱高下を繰り返しながら徐々にこれに近づき、この中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込んだ。
このサポート・ラインを割り込んだことで、「売りシグナル」と考えるが、「売りシグナル」点灯直後は、むしろ上昇気味に推移した。
しかしここにきて、豪ドル/米ドルが下落したことで、サポート・ライン「太い緑の破線」を割り込んだことで発せられた「売りシグナル」が有効であった、と確認できる。
■フラッグ完成後は高値圏で乱高下
別のラインなどを書き込んだ下の週足チャートでは、フラッグを完成させた後の高値圏での乱高下を750ポイントのボックス相場で説明している。
(出所:米国FXCM)
「赤い破線」で囲んだ、下値0.9500ドル(青の水平線)-上値1.0250ドル(青の水平線)の750ポイント幅の下方のボックス相場を上に抜けたことで、ボックス相場のセオリーどおりに750ポイント上昇した。
その結果、上方に生まれた下値1.0250ドル(青の水平線)-上値1.1000ドル(青の水平線)の750ポイント幅のボックス相場「紫の破線」へシフト(移行)した。
シフト後は、「紫の破線」で囲んだボックス相場の中で上下動を繰り返しながら下落して、下限(ネック・ライン)である1.0250(青の水平線)を下に割り込むと、やはり、ボックス相場のセオリーどおりに、750ポイント下落して、0.9500ドル(青の水平線)に到達した。
安値は0.9400ドル割れを見ている。
その後は、1.0250ドル(青の水平線)近辺を中心として、乱高下を繰り返しながら横ばいを続けたが、サポート・ライン「太い緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
下の週足チャートでは、ボックスの値幅を…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)