■米ドル/円の小動きは「嵐の前の静けさ」?
米ドル/円は、93円台から98円台にリバウンドしたが、目先の相場は、「97円台~98円台での小動き」に終始しており、特段の変化が見られない。
ただし、中国株式の急落で、不穏なムードが漂っている。
また、「米国の出口戦略」をめぐる思惑が交錯している状況であり、今のところ微妙なバランスを保っているだけの、「嵐の前の静けさ」という可能性がある。
■米ドル/円は2012年2月にトレンド転換した
ではいつものように、チャート分析を行なう。まずは、週足チャートをご覧いただきたい。
2007年6月から2012年2月上旬まで、長きにわたり「米ドル安・円高トレンド」が続いた。
(出所:米国FXCM)
この「米ドル安・円高トレンド」は、2007年6月から2012年2月上旬まで、一度として転換したことがなかった。
だから、まるまる4年半以上の間、「米ドル安・円高トレンド」が持続した。
週足チャートを見ると、2012年2月の時点で、明確に中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けた、と言える。
つまり、トレンド転換は、2012年の2月に起こった、と考える。
換言すれば、米ドル/円は、2012年の2月に、「買いシグナル」を発して、「米ドル安・円高トレンド」から「米ドル高・円安トレンド」に転換した、と考えている。
上の週足チャートに示したように、新たに引いたレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けた。
この「ピンクの破線」を上に抜けたことで、改めて「買いシグナル」を発した、と考えている。
新たな中長期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発したことで、この時点で調整局面(2012年3月~10月)を終えて、改めて、大きな「上昇トレンド」に転じた可能性を示している。
■2年以上続いたボックス相場をブレイクし、ターゲット達成
再掲載した下の週足チャートには、「75.00円-86.00円のボックス相場」を「赤の破線」で表示している。
(出所:米国FXCM)
2010年半ばから2012年12月末まで、2年以上にわたり、このボックス相場が続いた。
このボックス相場の上限86.00円を上に抜ける場合は、「買いシグナル」だ。
なおかつ、この「75.00円-86.00円のボックス相場」を上に抜けた場合のターゲットは、97.00円近辺であることを表示している。
そして、上のチャートに示したように、すでに97.00円近辺のターゲットは達成している。
そして、ターゲット達成後も、さらに大きく上昇している。
米ドル/円はサポート・ライン「青の破線」に従って上昇したが、このサポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発した。
大局で見れば、この「売りシグナル」は、「トレンド転換」を示すのではなく、調整の下落局面に入ったことを示している、と考えている。
■今後、サポートラインの傾きが緩やかになる可能性もある
続いて、別のラインなどを書き込んだ週足チャートをご覧いただきたい。
この週足チャートでは、サポート・ライン「青の破線」の傾きを緩やかにして、6月13日(木)の安値、93円台後半(93.75円-93.80円レベル)に合わせている。
(出所:米国FXCM)
まだ下値(底値)を確認していないので、サポート・ライン「青の破線」の傾きが、もっと緩やかになる可能性もある。
個人的な思惑だが、このようなサポート・ラインが、いずれ現れるだろう、と考えている。
このサポート・ライン「青の破線」は、今のところ便宜的に表示したラインにすぎない。ただし、時間が経過すれば、このラインがまさに、上述の「いずれ現れるライン」である可能性もある。
続いて、日足チャートを…
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