■ユーロ/米ドルは2012年7月安値を起点に上昇
今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まず、下の日足チャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
2012年7月に、ユーロ/米ドルは1.20ドル台ミドルの安値をつけた。ユーロ/米ドルの上昇は、この安値を起点としている。
最初の上昇過程では、サポート・ライン(1)「緑の破線」に従っていたのだが、このサポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発した。
「売りシグナル」のとおりに下落したのだが、安値1.26ドル台ミドルをつけてから、大きく反発上昇している。
そこで、サポート・ライン(2)「緑の破線」を追加し、「1.2650ドル-1.3200ドルのボックス相場」(赤の破線)と考えた。
そして、その後の値動きでは、ボックス相場の上限1.3200ドルを上に抜けて、「買いシグナル」を発した。
2013年年初の値動きでは、ユーロ圏における流動性危機の鎮静化を材料に、ユーロが急騰した。
2月の初めに、高値は1.37ドル台をつけている。
1.3400ドルを越えてからは、ストップ・ロス(損切りのユーロ買い・米ドル売り)が出たこと、そして1.3500ドル近辺、1.3600ドル近辺、1.3700ドル近辺ではオプション取引に伴うユーロ買いが出たことが、相場を加速させたと考える。
再掲載した下のチャートに示したように、ユーロ/米ドルは「1.2650ドル-1.3200ドルのボックス相場(値幅550ポイント)」(赤の破線)を形成した。
(出所:米国FXCM)
このボックス相場を上に抜けて、550ポイント上のターゲットを達成した、と考える。
■2013年2月に1.37ドルをつけてから急落
1.3700ドルをつけて以降、ユーロ/米ドルは急落を始めている。
チャートをご覧いただいたとおりに、サポート・ライン(2)「緑の破線」を明確に割り込み、「売りシグナル」を発したと考える。
ユーロ/米ドルは、チャートに「青の破線」で示したレジスタンス・ラインに従って下落した、と考える。
しかし、日銀の政策決定会合のあった2013年4月4日(木)の値動きで、1.27ドル台前半から1.29ドル台ミドルに大きく上昇したことで、このレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けた。
「買いシグナル」を発した、と考える。
この時点で、1.37ドル台からのユーロ/米ドル下落に沿って「ユーロ売り・米ドル買い」を行なっていた場合は、いったん「利食いの買戻し」と考える。
■現在は1.27ドル台半ば~1・34ドル台半ばのボックス相場
ユーロ/米ドルは、この「買いシグナル」に従い上昇したが、1.3000ドル程度を中心に保ち合いに推移した。
結果的に、「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)を形成している、と考える(このボックス相場の値幅は、約700ポイントである)。
【参考記事】
●ユーロ/ドル(EUR/USD)は[700ポイント]で変動する(2008年8月22日、松田哲)
このボックス相場のインサイド(内側)に、「ピンクの細線」で、サポート・ラインとレジスタンス・ラインを表示した。
サポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発し、レジスタンス・ラインを上に抜けて、「買いシグナル」を発した様子を示している。
そして、直近の下落で短期のサポート・ライン「ピンクの細線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い1.3100ドル近辺まで下落したが、1.3100ドル近辺から反転上昇している。
しかし引き続き、「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)のインサイド(内側)であり、1.33ドル台後半ないし1.34ドル台前半はボックス相場の上限で、レジスタンス(上値抵抗)である。
上述のとおりに、1.33ドル台後半ないし1.34ドル台前半はレジスタンス(上値抵抗)だが、今後何らかの事情で相場が反転してこのボックス相場の上限(1.34ドル台ミドル)を明確に上に抜ける場合は「買いシグナル」なので、注意が必要だ。
続いて、別のラインなどを書き込んだ次の日足チャートを…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)