■月足の「高値圏での乱高下」が後々の下落を示唆する
今回は豪ドル/米ドルの分析を行なう。まず、月足チャートからご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、豪ドル/米ドルは一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」を割り込み、その時点で「売りシグナル」を発したと考える。
(出所:米国FXCM)
上のチャートでは、一番右の中長期のサポート・ライン「太い緑の破線」の傾きを緩やかにして、実際の相場に合わせ調整している。
豪ドル/米ドルは高値圏で「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」を形成していたと考える。
そして、ボックス相場「紫の破線」の下限を割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル近辺-上値1.1100ドル近辺のボックス相場」は、「高値圏での乱高下」と考えることができる。
「高値圏での乱高下」は、後々の下落を示唆するケースが多々ある。
このボックス相場「紫の破線」の下限を割り込んだことで、大きく下落する可能性を示唆していると考える。
■現在はリバウンドしているものの、予断を許さない状況
0.9400ドルを割り込み発せられた「売りシグナル」に従い、0.86ドル台にまで下落したが、0.86ドル台から急反発して、0.97ドル台にまでリバウンド(反転上昇)している。
米国の出口戦略の先送り(量的緩和策の縮小の先送り)や、米議会の紛糾(予算案と債務上限引き上げの2つの問題)を材料に、「米ドル売り(豪ドル買い)」に動いた、と考える。
「予算案と債務上限引き上げ」に関しては、妥協案が通過した。
当面の米議会の紛糾に決着がついたので、徐々に市場の関心は、「量的緩和策の縮小が、いつスタートするのか?」にシフトするだろう、と考える。
「量的緩和策の縮小のスタート」に関しては、「来年3月まで延期されるのではないか」といった見解も出てきている。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の一部からは、この10月といった声もある。
本日(10月30日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利と声明の発表があるのだが、予断を許さない状況、と考える。
■大きく急落する可能性が高いことに気がつけばOK
次に、週足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/米ドルは、0.6000ドル近辺から、1.1000ドル近辺に大きく上昇したが、その上昇過程では、サポート・ライン「緑の破線」に従っていたと考える。
下のチャートでは、中長期のサポート・ライン「緑の破線」の傾きを
緩やかにして、実際の相場に合わせ調整している。
(出所:米国FXCM)
豪ドル/米ドルは、「赤の破線」で示した「下値0.8000ドル-上値0.9400ドルのボックス相場」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発して上昇した。
そしてボックス相場のセオリーどおりに、ボックスの値幅分(1400ポイント)上昇してターゲットを達成したと考える。
「赤の破線」で示したボックス相場を上抜けしてからは、「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル-上値1.1100ドルの約1700ポイント幅のボックス相場」へ移行(シフト)したと考える。
その後、5月上旬に中長期のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ。「売りシグナル」と考える。
そして、「紫の破線」で示したボックス相場の下限0.9400ドルを割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。
(出所:米国FXCM)
ボックス相場のセオリーに従えば、ボックスの値幅分(1700ポイント)下落したところがターゲットになる。つまり、0.7800ドルないし0.7700ドル程度がターゲットだ。
0.94ドル台にある現時点で、実際にそこ(0.7800ドル)まで下落するのか否かを考える必要はないと思っている。この「紫の破線」で示したボックス相場を下に抜けたことで、大きく急落する可能性が高いことに気がつけば、それで良い。
続いて、日足チャートを…
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