■豪ドル/円は月足で72円-90円のボックス相場を上抜け
今回は豪ドル/円の分析を行なう。まず、下の月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートを見ると、右端のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。
(出所:米国FXCM)
月足チャートを見ると、全体では上昇しているものの、「上ひげ」が出ており、上値に抵抗があった様子が読み取れる。
100円以上には、抵抗があったように映る。
豪ドル/円は、105円台の高値から86円台にまで大きく急落している。そして、86円台からは反発(上昇)して、95円台まで戻している。
■フラッグのターゲットを達成したと考えられる
続いて、別のラインなどを書き込んだ下の月足チャートをご覧いただきたい。
月足チャートに補助線を描くと、豪ドル/円は大きな「フラッグ」を形成したことが読み取れる。
「フラッグ」と考えると、豪ドル/円の上昇は、すでにターゲットを達成した、と言える。
ターゲットには、まだ2円ほどの余地があるので、ターゲットを達成していない、とする意見が出てくることも理解する。
しかし、チャート分析はそれほど厳密なものではない。
特に、月足などの大きなチャートで見る場合は、「だいたいこれくらい」といったメドで考えるべきで、今回はターゲットを達成した、と考えている。
気をつけるべきことは、「上昇してターゲットを達成したのだから、今度は下落する」というわけではないことだ。
一般に、上昇してターゲットを達成した後は、そのターゲット近辺で、保ち合いになることもあるし、さらなる上昇になる場合もある。
しかし、ターゲット達成で、反転するケースもあるので、値動きを注意深く見る必要がある。
要するに、90.00円を上に抜けて発せられた「買いシグナル」のターゲットを達成した可能性があるので、過去の高値である108円に、こだわらないことが重要だ、ということである。
そして今回は、「ターゲットを達成した後で、反転し大きく下落するパターンだった」という結論が出た、と考える。
■2009年半ばから2012年までは72円-90円のボックス相場
次に、週足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/円は、2007年の高値108円台から2008年の安値55円近辺にまで、大きく下落した。なお、このチャートでは、2007年の高値108円台は表示されていない。
(出所:米国FXCM)
55円まで下落した後は、下値55円-上値72円の下値保ち合いを短期間続けた。
55円の安値から、一番左の1本目のサポート・ライン「ピンクの破線」に沿って上昇が始まった。
この上昇は、2010年春ごろにこのサポート・ラインを割り込んで終わり、「売りシグナル」を発して、下落に転換した。
この下落は72円でサポートされ、再び上昇に転じた。
その結果、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」が現れた。
2本目のサポート・ラインに沿った上昇がしばらく続いたのだが、2011年3月に米ドル/円が急落したことにつられて豪ドル/円も大きく下落し、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した。
ところが、すぐにG7(先進7カ国)による米ドル/円の協調介入が行なわれたために、その影響を受けて豪ドル/円も90円まで強烈に担ぎ上げられた。
しかし、介入の効果が薄れてくると徐々に垂れ下がり、再び2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割って、改めて「売りシグナル」を発した。
(出所:米国FXCM)
この2度目の「売りシグナル」に従い相場は大きく下落し、2011年3月の米ドル/円の急落につられて記録した豪ドル/円の安値と過去の最安値を結んだ、便宜上の3本目のサポート・ライン「赤の破線」も下に破って下落した。
この時も72円でサポートされ、88円近辺まで大きく反転上昇している。
そこから再度下落したのだが、その下落は、72円(ボックス相場の下限「緑の破線」)にまで届かないうちに終わって反発し、4本目のサポート・ライン「青の破線」が現れた。
結果的には2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。
そして、2013年初めに、「緑の破線」で囲った…
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