■下値は引き続き94円近辺でサポートされている
日足チャートに「紫の破線」で表示したように、米ドル/円は引き続き、「下値94.00円程度-上値104円程度の10円幅のボックス相場」を形成していた、と考えることができる。
(出所:米国FXCM)
より正確な数値で言えば、「下値93.80円-上値103.80円の10円幅のボックス相場」を形成していた、と考えることもできる。
この大きなボックス相場(紫の破線)が意味することは、「下値は、94.00円近辺(=93.80円)でサポートされている」ということだ。
そして、「新高値を更新する場合は(つまり、103.80円を上に抜けて、104円台に乗せる場合は)、さらに10円上昇する可能性(つまり、ターゲットが114円になる可能性)を示唆している」ということだ。
逆に、下値(=下限)の93.80円を割り込む場合は、「売りシグナル」を発することになる。
現時点で、そこまで先読みする必要はないと考えるが、下値(=下限)の93.80円を割り込む場合は大きく下落する可能性があり、その場合は「調整下落」とは言えなくなる。
■直近は高値更新したものの、目先の相場は下落
先週の金曜日(12月13日)の東京市場で、103.80円を上に抜けて、高値を更新した。
「買いシグナル」点灯と考えたのだが、103.90円-103.95円レベルを高値に、目先の相場は下落している。
しかし、下値も102円台ミドル程度で、このまま下落するのか否か、
判断ができない状態が続いている。
この102円台ミドルを底値に、改めて、103.90円-103.95円レベルを上に抜けて、104円台に乗せるならば「買いシグナル」と判断して良いのだが、102円台ミドルを下に抜けて下落する場合は、「下値94.00円程度-上値104円程度の10円幅のボックス相場」(紫の破線)が持続していることになる。
昨日、本日(12月17、18日)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されている。
この12月のFOMCで、「テーパリング(量的緩和策の縮小)が始まるのか、否か」の結果次第で、相場の方向性がはっきりするのだろう、と考えている。
つまり、本日(12月18日)のFOMCの結果が出るまで、判然としない状況が持続するのだろう、と考えている。
12月18日(水)にテーパリング開始が決まれば、「米ドル買い」で、上値を突破するのだろう、と考える。
逆に、テーパリング開始を2014年に持ち越す場合は、「下値94.00円程度-上値104円程度の10円幅のボックス相場」(紫の破線)が持続するのだろう、と考えている。
■4時間足チャートで直近の相場を分析すると…
続いて、4時間足チャートをご覧いただきたい。
米国の予算問題と債務上限問題を材料に、9月下旬から10月上旬は、「米ドル売り」傾向だった、と言える。
しかし、10月中旬になるとマーケットでは、米国のこれらの財政問題で、「オバマ大統領と共和党とで妥協案がまとまるのではないか」という期待感から、米ドル/円は反発し、上昇を始めた。
(出所:米国FXCM)
この時点で、サポート・ライン(1)「ピンクの破線」を引くことができる。
しかし、上値も99.00近辺で抑えられた格好で、短期のサポート・ライン(1)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、97円割れ(96円台後半)にまで下落したが、そこから改めて上昇したので、短期のサポート・ライン(2)「ピンクの破線」を表示した。
11月7日(木)の値動きでは、それまでの高値抵抗だった99.00円を上に抜けて、「買いシグナル」を発し上昇したのだが、99.40円近辺をピークに反転急落して、短期のサポート・ライン(2)「ピンクの破線」を下に抜けた。
「売りシグナル」と考える。
そのため、99.00円を上に抜けて発せられた「買いシグナル」は否定された、と考える。
ところが、11月8日(金)に発表された米国雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)が事前予想よりも良かったことを受けて、米ドル/円は反転急騰している。
短期のサポート・ライン(2)「ピンクの破線」を下に抜けて発せられた「売りシグナル」も、否定された格好だ。
(出所:米国FXCM)
その後の米ドル/円は、それまでの高値だった99.40円を上に抜けて、改めて「買いシグナル」を発した、と考える。
100.00円近辺は、「売り」が待ち構えている状況だったと考えるが、100.00円を上に抜けた。
この100.00円を上に抜けた時点では、基本的には「米ドル買い・円売り」のスタンスと考える。
11月中旬以降の米ドル/円は…
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