■ユーロ/米ドルは高値圏で乱高下している
今回はユーロ/米ドルの分析を行なう。まず初めに、月足チャートからご覧いただきたい。
月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から1.6000ドル近辺まで、大きく上昇している。
(出所:米国FXCM)
1.6000ドル近辺の高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで大きく上下動を繰り返している。
この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には「高値圏での乱高下」だと判断している。
いつもではないのだが、すなわち必ずというわけではないのだが、一般的に「高値圏での乱高下」は「売りのシグナル」だ。
つまり、この大きな上下動は、いずれネック・ライン(下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測している。
当然ながら、このネック・ライン(下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(下限)を割り込む場合は、その後で、大きく下落する、と考えている。
サポート・ライン「ピンクの破線」を表示した。2007年頃から現在(2014年)に至るまでで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すために加筆した。
一番右のサポート・ライン「緑の破線」は、その傾きを緩やかにして、安値1.27ドル台ミドルに合わせている。
一番右のサポート・ライン「緑の破線」の引き方は何通りか考えることができるが、一番コンサーバティブ(保守的)なラインを引いている。
■週足チャートはもう一段上昇の可能性を示唆
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。
サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んで以降は、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」に従って下落した、と考える。「緑の破線(細線)」は、「緑の破線(太線)」の平行線だ。
(出所:米国FXCM)
そして、上のチャートを見てわかるように、ユーロ/米ドルが、リバウンド(上昇)して、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けている。
レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けたので、その時点で、「買いシグナル」を発した。
週足チャートで見る限りでは、この「買いシグナル」を発した時点で、ユーロ/米ドルが、もう一段上昇する可能性を示唆している。
1.20ドル台からの上昇で、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を表示した。
サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線を表示している。
■日足チャートではボックス相場を上抜けして上昇
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。
2012年10月、11月以降、現在までのユーロ/米ドルは、概して1.26ドル台から1.38ドル台で上下動を繰り返している、と言える。
(出所:米国FXCM)
2012年12月から2013年2月頃のユーロ/米ドルは、「サポート・ライン(1)」(緑の破線)に従って上昇したのだが、このサポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発した。
「売りシグナル」のとおりに下落したのだが、安値1.27台ミドルから、大きく反発上昇している。
そして、レジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルは、この「買いシグナル」に従い上昇したが、1.3000ドル程度を中心に保ち合いに推移し、結果的に「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)を形成した、と考える。
(出所:米国FXCM)
このボックス相場「紫の破線」の中に、短期のサポート・ラインや短期のレジスタンス・ラインを引くことができる。
そして、短期のサポート・ラインを割り込む場合は「売りシグナル」、短期のレジスタンス・ラインを上に抜ける場合は「買いシグナル」を発した、と考える。
しかし、このボックス相場の中での動きだったので、その表示は省略した。
2013年9月18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、テーパリング(量的緩和策の縮小)が開始されると想定されていたのだが、予想外に「米国の量的緩和策の縮小のスタート」が延期された。
テーパリング延期を材料に、「ユーロ買い・米ドル売り」となり、「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)の上限を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルは、高値(1.37ドル台前半)を更新して、さらなる「買いシグナル」を発した、と考える。
2013年7月の安値1.27ドル台ミドルからの上昇は、サポート・ライン(2)「緑の破線」に従っている、と考える。
現在の相場は、「ピンクの破線」で表示した…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)