■現在は上限1.38ドル台後半が上限のボックス相場を形成中
現在の相場は、「ピンクの破線」で表示したボックス相場を形成中と考える。
(出所:米国FXCM)
いったん、このボックス相場「ピンクの破線」の上限を上に抜けたように見えたのだが、まだボックス相場が持続している、と考える。
このボックス相場の上限は、1.38ドル台後半(1.3900ドル近辺)と考える。
直近のユーロ/米ドルは、サポート・ライン(2)「緑の破線」に迫っている。
一時的に、このサポート・ライン(2)「緑の破線」を割り込んだようにみえたが、まだ明確に、下に抜けたとは言えない状況だ。
明確に、下に抜ける場合は「売りシグナル」点灯となる。
■4時間足チャートではサポートラインを割り込み売りシグナル
最後に、4時間足をご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
2013年11月7日(木)、ECB(欧州中央銀行)は、政策金利を0.25%引き下げ、0.25%とした。
「想定外の利下げ」を材料に、ユーロ/米ドルは1.35ドル台前半から下落し、1.3300ドル近辺の安値をつけた。
翌日の11月8日(金)の米国雇用統計は、事前予想よりも良い結果が発表された。
それを材料に、「ユーロ売り・米ドル買い」となったものの、1.3300ドル近辺の安値を更新できなかったので、ユーロの買い戻しが出た、と考える。
11月、12月の値動きは、上のチャートに示したように、高値を更新すると、「買いシグナル(Buyと表示)」を発して上昇する、逆に、短期のサポート・ライン「緑の破線(細線)」を割り込むと「売りシグナル(Sellと表示)」を発して下落する、といった格好だ。
11月中旬以降は、概してユーロの買い戻しが優勢だったと言える。
上値は、1.3700ドル近辺がレジスタンスになっていたと考えるが、それも上に抜けて、買い優勢の状況だった。
しかし、短期のサポート・ライン「一番右の緑の破線(細線)」を割り込み、ごく短期の「売りシグナル(Sellと表示)」を発した、と考える。
この「売りシグナル(Sellと表示)」に従い、1.3700ドルを割り込み、サポート・ライン「緑の破線」に迫った。
しかし、この時点でのユーロ/米ドルはサポート・ライン「緑の破線」を割り込むことなく、このサポート・ラインに沿って上昇した。
12月27日(金)の値動きでは、1.3750ドル~1.3850ドル程度にあったストップ・ロス・オーダー(損切りの買戻し)を断続的につけて、急騰している。
(出所:米国FXCM)
高値は、1.38ドル台後半を示現している。
クリスマスが終わり、市場参加者の極端に少ない年末相場での、
とっぴな値動きと考える。
年初(2014年1月2日)の値動きで、サポート・ライン「緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
大局では、ユーロ/米ドルは、下落方向で見ている。
■テーパリング開始で大局では「米ドル買い」の相場
昨年(2013年)12月18日(水)のFOMCで、「テーパリング(量的緩和策の縮小)開始」が決まった。
この結果で、相場の方向性は「米ドル買い」と考えている。
つまり、12月18日(水)のFOMCの結果が出るまでは、判然としない状況が持続していたが、12月18日(水)にテーパリング開始が決まったので、「米ドル買い(ユーロ売り)」と考える。
逆に、テーパリング開始を翌年(つまり、今年の2014年)に持ち越す場合は、1.38ドル台ミドルを上に抜けて、もう一段上昇する可能性があると考えていたが、その考察は不要になった、とみている。
大注目だった大イベントの12月18日(水)のFOMCが終了してその結果が発表され、その直後の相場が大荒れになったが、売買がぶつかり合った後は、突如として「クリスマス相場」に突入した。
世界中の市場参加者が、このイベントに集中していたのだが、イベントが終わったので、突如として撤退した(さっさと居なくなった)、といったところだろうか…。
クリスマスが明けても、年末相場で市場参加者が極端に少ない状態だった、と考える。
1月10日(金)の米国雇用統計は、非農業者雇用者数が事前予想よりも極端に少なかったことで、ユーロ/米ドルは1.35ドル台から1.36ドル台へ上昇した。
しかしながら、失業率は事前予想の7.0%よりも良い数字で、6.7%に改善している。
引き続き、大局ではユーロ/米ドルは、下落方向でみている。
(2014年01月15日 東京時間12:00記述)
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)