■ユーロ/円は2012年11月に上昇トレンドに転換した
今回は、ユーロ/円の分析を行なう。まず、月足チャートからご覧いただきたい。
ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値をつけてから、下落に転じた。
(出所:米国FXCM)
そして、月足チャートで見ると、2012年3月に、2008年の高値を起点としたレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けたのだが、この時点では、結局トレンド転換が起こらなかった、と判断したので、2012年4月の高値に合わせて新たなレジスタンス・ライン「緑の破線」を表示した。
つまり、レジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けた時には、ユーロ/円は下落トレンドのままで、上昇トレンドに転換していない、と判断した。
しかし、改めて引き直した一番右の中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は、「買いシグナル」なので、要注意と考えていた。
一昨年(2012年)の11月に、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。
■ユーロ/円急騰は2008年の大暴落に匹敵する特別な値動き
上述のとおりに、2012年11月に「買いシグナル」を発した、と考える。
この時点(2012年11月の時点)で、この「買いシグナル」は、トレンド転換の可能性がある、と考えた。
その後、安値94.00円近辺から十分に大きく上昇したので、「ユーロ安・円高トレンド」から、「ユーロ高・円安トレンド」にトレンド転換したと考えて良い、と判断する。
月足チャートを見ても明らかだが、今回の(2012年11月以降の)ユーロ/円急騰は非常に激しく、奇異な値動きだ。
2008年の大暴落も、異常な値動きだった、と考えるが、今回のユーロ/円急騰はそれに匹敵するほどの特別な値動きだ、と考える。
安値94.00円近辺からの上昇で、一番右の中長期のサポート・ライン「紫の破線」を表示した。
(出所:米国FXCM)
月足チャートで見るとわかり難いのだが、週足チャート、日足チャートでは、このサポート・ライン「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考えた。
しかし、月足チャートで見る限りでは判然としない。
一番右のサポート・ライン「紫の破線」の傾きを少し緩やかにすることで、サポート・ラインを割り込んでいない、と考えることもできるからだ。
上のチャートは、「割り込んでいない形状」で表示している。
■2012年からのユーロ/円を週足で分析
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/円は、2012年1月の安値97円から111円台まで大きくリバウンドすることで、中長期のレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けた。
しかし、月足のコメントで述べたように、この時点ではトレンド転換が起こらなかった、と考えるので、改めてこの時点(2012年4月)の高値に合わせて、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を引き直した。
(出所:米国FXCM)
このライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は、改めてユーロ/円が急騰する可能性があるので、要注意と考えていた。
2012年10月に、このライン「緑の破線」を明確に上に抜けたのだが、大きく動き出すことはなかった。
しかし、2012年11月になって、改めてこのライン「緑の破線」を明確に上に抜け、107円台の高値をつけた。
チャートには、レジスタンス・ライン「紫の破線」も表示している。
2008年の大暴落で、相場の連続性が断たれた、と考えるならば、この「紫の破線」を中長期のレジスタンス・ラインと考えることができる。
レジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けても、その上にレジスタンス・ライン「紫の破線」があることに留意すべき、と考えていたが、107円台の高値を見たことで、中長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」も上に抜けた。
この中長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を明確に上に抜ける場合は、さらなる「買いシグナル」と考えた。
再掲載した下の週足チャートに…
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