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短期チャートで「売りシグナル」点灯も、
安易なユーロ/円売りが危険な理由とは?

2014年01月22日(水)16:05公開 [2014年01月22日(水)16:05更新]

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■2012年11月以降の日足チャートは値幅50円以上

 続いて、日足チャートをご覧いただきたい。

 ユーロ/円の日足チャートを俯瞰すると、今回の値幅は50円以上もある(安値を94円、高値を145円と考えると、50円以上の値幅がある)。 

ユーロ/円 日足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 週足チャートや、月足チャートならば、珍しいことではないが、通常の日足チャートで40円以上の値幅は、振れ幅が異常に大きいと考える(上の日足チャートの右の目盛りを見ると、この日足チャートは、105円台から145円台の値動きを表している)。

 つまり、今回の値動きは、振れ幅の大きい特殊な相場つきだ、ということだ。

 ユーロ円は、一昨年(2012年)7月に安値94円台前半をつけた。この安値から上昇が始まっている。

 上の日足チャートには、安値94円台前半は表示されていない(2012年7月は、期間が長すぎて表示できなかった)。

 ユーロ/円は、衆院解散の決定(2012年11月14日)をきっかけに、それまでの高値104円台ミドルを上に抜けた。

 「買いシグナル」点灯であり、ここから上昇が始まった、と考える。

■2012年4月に反発上昇し、6月に急落

 大局でみれば、ユーロ/円は、サポート・ライン(1)「ピンクの破線」に従って、大きく上昇した。

 ユーロ/円は、その上昇の過程で、日足チャートに「緑の破線」で示した
「下限118円台ミドル程度-上限127円台ミドル程度」の約9円幅のボックス相場を形成した。

 4月4日(木)の日銀政策決定会合の発表前の時点では、ネック・ライン(下限の118円台ミドル)を明確に下に抜けて、「ダブル・トップ」を完成させるのではないか、と考えていたが、想定外の(想像を超える)「異次元の金融緩和策」が発表されて、ユーロ/円は大きく反発上昇した

 そして、このボックス相場の上限を上に抜けて「買いシグナル」を発した。

 ユーロ円は、この「買いシグナル」に従い、5月下旬に133円台の高値をつけた。

 しかし、6月3日(月)に、130.00円を割り込み、129円台ミドルにまで急落している。   

ユーロ/円 日足(再掲載、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 ユーロ/円の130.00円割れには(つまり、ユーロ/円の129円台後半には)、ストップ・ロス・オーダー(損切りのユーロ売り注文)が集中していた、と考える。

 そして、サポート・ライン(1)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 この「売りシグナル」に従い、ユーロ/円は、125円割れ(124円台後半)まで急落している。

■その後、125円割れから大きく反転急上昇

 しかし、125円割れ(124円台後半)からは、大きく反転急上昇している。

 125円割れ(124円台後半)からの反転急騰の理由は、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、米国の出口戦略(量的緩和策の終了スケジュール)について発言したことを材料に、米ドル/円での「米ドル買い・円売り」が出たことだ。

 米ドル/円急騰の影響から、ユーロ/円は上昇している。

 しかし、気をつけなければいけないことは、「米国の出口戦略」は、ユーロ/米ドルでは「ユーロ売り・米ドル買い」の材料だ、ということである。

 つまり、この時のバーナンキ議長の「米国の出口戦略発言」は、ユーロ/米ドルよりも、米ドル/円に与えた影響の方が大きかった、ということだ。

 しかしながら、今後の展開では、逆になる可能性もある、と考える。

 個人的には、「米国の出口戦略(量的緩和策の縮小、そして終了)」は、米ドル/円の「米ドル買い・円売り材料」であり、ユーロ/米ドルの「ユーロ売り・米ドル買い材料」であるが、ユーロ/円に関しては「ニュートラル材料」だ、と考える。

 つまり、ユーロ/円に関しては、「買い」でもないし、「売り」でもない、と考える。

■2013年後半はサポートラインを割り込んでは、反転上昇

 チャート分析に戻ろう。125円割れ(124円台後半)からの上昇で、サポート・ライン(2)「ピンクの破線」を表示した。

 サポート・ライン(2)「ピンクの破線」を、明確に下に抜ける場合は「売りシグナル」なので、要注意と考えていた。

 チャートを見てのとおり、「売りシグナル」を発した、と考える。   

ユーロ/円 日足(再掲載、クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 この「売りシグナル」に従い、128.00円近辺まで下落したが、128.00円近辺(127円台後半)から134円台後半に上昇した。

 そこで、128.00円近辺(127円台後半)に合わせて、サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を表示した。

 サポート・ライン(3)「ピンクの破線」は、その後の値動きに合わせて、その傾きを緩やかにして修正している。

 このサポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 しかし、「売りシグナル」を発した割には、下落スピードが加速しない、と感じていた。

 そして、ユーロ/円が反発上昇したので、サポート・ライン(4)「ピンクの破線」を加筆した。

 日足チャートで見ると、このサポート・ライン(4)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考えた。

 この「売りシグナル」に従い、131円台前半にまで下落したのだが、131円台前半からは反転上昇した。

 そこで、サポート・ライン(5)「青の破線」を表示した。

 4月上旬以降のユーロ/円は、「紫の破線」で示した…

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松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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