■目先はフラッグを形成しそうな雰囲気
そして、2013年初めに、「緑の破線」で囲った「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を上に抜けたことで「買いシグナル」が点灯し、上昇を始めた。
(出所:米国FXCM)
ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。
このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円であるから、ターゲットは108円になる。
しかし、月足チャートで述べたように、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。
現時点で、今回の高値は105円台半ば(105.40-50円)程度だ。
ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。
しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった、“いいかげんなもの、大まかなもの”である。
豪ドル/円は、105円台の高値から下落に転じ、現在は「紫の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。
このボックス相場を下に抜ける場合は、「フラッグ」を作りそうな形状をしているのが気になる。
■2013年4月4日の「異次元の緩和」後、一気に105円台へ
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。
2012年11月、衆院解散の決定といった材料によってそれまでの高値を上に抜けたことから「買いシグナル」が点灯し、豪ドル/円は上昇を開始した。
(出所:米国FXCM)
豪ドル/円が大きく上昇した結果、サポート・ライン「ピンクの破線」が引けるようになった。
そして、上昇の過程では、「青の破線」で示した「下値92円ミドル-上値97円ミドルのボックス相場」を形成した、と考える。
このボックス相場を上に抜けて「買いシグナル」が点灯。
100円近くまで上昇して(この時点での高値は「99.95円-100.00円」レベル)、いったん97.00円近辺まで下落した。
(出所:米国FXCM)
そして、2013年4月4日(木)の日銀金融政策決定会合で「異次元の金融緩和策」が発表されると、一気に100.00円を上に抜けている。
100.00円を上に抜けて高値を更新したことで「買いシグナル」を点灯させ、「青の破線」で示した5円幅のボックス相場を上抜けしたターゲットも、一気に達成している。
そして、ボックス相場「青の破線」上抜けのターゲットを達成した後も急騰を続け、105円台の高値をつけた。
しかし、高値の105円台から、いっきに99円割れ(98円台後半)にまで急落している。
上昇が速かったので、調整の下落が起こった、と考える。
■105円まで急騰後の下落でサポートラインを割り込む
高値の105円台から98円台後半にまで急落したことで、調整下落局面に入ったと考える。
サポート・ライン「ピンクの破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、上のチャートに「紫の破線」で示した「約9円幅のボックス相場」を下に割り込み、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
これらの「売りシグナル」のとおりに、大きく急落している。
チャートに示したように、サポート・ライン「緑の線」にサポートされた格好になっていたが、7月30日(火)にこのラインを下に割り込み、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い下落したことで、「紫の破線」で示したボックス相場を下に割り込んだ場合の、下値のターゲットを達成した、と考える。
上述のとおりに、高値の105円台から98円台後半にまで急落した時点で、調整下落局面に入ったと考える。
そして、引き続き、現時点もその調整局面(下落局面)にある、と考える。
再掲載した次のチャートに、レジスタンス・ライン「青の破線」を…
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