■その後、125円割れから大きく反転急上昇
しかし、125円割れ(124円台後半)からは、大きく反転急上昇している。
125円割れ(124円台後半)からの反転急騰の理由は、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、米国の出口戦略(量的緩和策の終了スケジュール)について発言したことを材料に、米ドル/円での「米ドル買い・円売り」が出たことだ。
米ドル/円急騰の影響から、ユーロ/円は上昇している。
「125.00円近辺-上限135円台ミドル」の約11円幅のボックス相場を形成していた、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、この約11円幅のボックス相場の上限を抜けたことで、「買いシグナル」を発した、と考える。
140.00円を上に抜けたことでさらなる「買いシグナル」を発し、上昇スピードが加速した、と考える。
2014年年初以降のユーロ/円は、調整の下落気味だ。
140.00円割れには、ストップ・ロス・オーダー(損切りのユーロ売り注文)が集中していた、と推測される。
140.00円、139.50円、139.00円には為替オプションが集中していた、と推測されるが、それらはすでに実行されたと考える。
つまり、140.00円、139.00円という数字には、さほどの重要性はなくなった、と考える。
そして、日足チャートに「ピンクの破線」で示したサポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発したと考える。
今のところ、安値は136円台をつけている。
■下落局面では136円、135円がサポート・ポイントに
過去の過程で(145円台までの上昇の過程で)、136.00円、135.50円は、重要なチャート・ポイント(=レジスタンス)だった。
過去の重要なチャート・ポイントは、この下落局面でもチャート・ポイントになるだろう、と考えている。
つまり、136.00円、135.50円は、サポート・ポイントと考える。
ただし、ここ(136.00円、135.50円)を下に抜ける場合はさらなる「売りシグナル」で、下落スピードが加速する可能性がある、と考える。
136円台の安値をつけてからのユーロ/円は、反転して140円台にまで上昇している。
日足チャートのサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」は、140.00円を明確に上に抜けて上昇したので、否定された、と考える。
非常に微妙な値動きになっているので、注意深く見るべきところと考える。
■4時間足では約5円幅のボックス相場を形成していた
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
2013年11月7日(木)に、ユーロ政策金利が引き下げになったことを材料にユーロ/円は下落し、131円台の安値をつけた、と考える。
この安値131円台から上昇を開始している(上のチャートには、安値131円台を表示できなかった)。
この時点での高値である135円台ミドルを越える場合は、新たな「買いシグナル」点灯となるので、要注意と考えていた。
136円台を上に抜けて以降は、「買いシグナル」が有効な状態が持続した。
140.00円を上に抜けて、さらなる「買いシグナル」を発した、と考える。
上昇の過程でユーロ/円は、「紫の破線」で示した小さなボックス相場を形成した、と考える。
(出所:米国FXCM)
チャートを見てのとおりに、ボックス相場「紫の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」点灯と考える。
ユーロ/円はサポート・ライン「ピンクの破線」に従い上昇した、と考える。
ユーロ/円は、145円台ミドルの高値をつけが、相場はこのサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、ユーロ/円は下落して、安値は140円台ミドルを2回つけている。
2回目の140円台ミドルへの下落で安値を更新したが、140.00円を割り込むことができずに、この時の相場は反発した。
4時間足チャート「赤の破線」で示したように、約5円幅のボックス相場を形成していた、と考える。
■目先は138円台ミドル-141円台ミドルのボックス形成か
ボックス相場「赤の破線」の下限を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/円が、140.00円を割り込んだので、明らかに調整下落局面に突入した、と判断した。
つまり、140.00円を明確に下に抜けたので、「売りシグナル」点灯と考えた。
この「売りシグナル」に従い139円台前半の安値を示現したが、この時点での相場は反発上昇した。
しかしながら、この「売りシグナル」が引き続き有効と考えた。
131円台から145円台への上昇スピードが速すぎたので、調整の下落がある場合は要注意、と考えていた。
明確に調整下落局面に入ったことを確認したので、「ユーロ売り・円買い」をするところ、と考えた。
ユーロ/円は、安値を更新する際にさらに「売りシグナル」を発し、136円台前半にまで下落したが、そこから反転して目先は140円台にまで上昇している。
■目先は「買いシグナル」だが、141円台前半が上値メドか
4時間足チャートにレジスタンス・ライン「青の破線」を表示したが、このレジスタンス・ラインを明確に上に抜けたので、「買いシグナル」点灯と考える。
しかし、140円台から「ユーロ買い・円売り」でついていくのは危険と考えている。
4時間足チャートに「緑の破線」で示した141円台前半程度が、目先のレジスタンス(上値抵抗)となるのではないか、と考えるからだ。
ごく目先の値動きでは、「下値(下限)138円台ミドル-上値(上限)141円台ミドル」のボックス相場を形成するのではないか、と考える。
(出所:米国FXCM)
昨年(2013年)12月18日(水)に、テーパリング(米国の量的緩和策の縮小)の開始が決まった。
この材料(テーパリング開始)は、基本的に「米ドルの材料」だから、ユーロ/円のような、米ドルを介在しないクロス取引には、直接関係がない。
もちろん、米ドル/円やユーロ/米ドルの対米ドル取引が動けば、結果的にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も動くが、どのように動くのかを、事前に予測することは非常に難しい、と考える。
ただし、ユーロ/円の94円台から145円台への上昇が激しいものだったのだから、調整下落がある場合は、相応の大きな調整局面を想定する必要がある、と考えている。
(2014年02月19日 東京時間12:30記述)
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