■その後、125円割れから大きく反転急上昇
しかし、125円割れ(124円台後半)からは、大きく反転急上昇している。
125円割れ(124円台後半)からの反転急騰の理由は、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、米国の出口戦略(量的緩和策の終了スケジュール)について発言したことを材料に、米ドル/円での「米ドル買い・円売り」が出たことだ。
米ドル/円急騰の影響から、ユーロ/円は上昇している。
結果的に、昨年(2013年)の4月上旬以降のユーロ/円は、「125.00円近辺-上限135円台ミドル」の約11円幅のボックス相場を形成していた、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、この約11円幅のボックス相場の上限を抜けたことで、「買いシグナル」を発した、と考える。
140.00円を上に抜けたことでさらなる「買いシグナル」を発し、上昇スピードが加速した、と考える。
ユーロ/円は高値145円台をつけている。
2014年年初以降のユーロ/円は、調整の下落気味だ。
140.00円割れには、ストップ・ロス・オーダー(損切りのユーロ売り注文)が集中していた、と推測される。
今のところ、安値は136円台をつけている。
■現在のユーロ/円は約10円幅のボックス相場を形成中
過去の過程で(145円台までの上昇の過程で)、136.00円、135.50円は、重要なチャート・ポイント(=レジスタンス)だった。
過去の重要なチャート・ポイントは、この下落局面でもチャート・ポイントになるだろう、と考えていた。
つまり、136.00円、135.50円は、サポート・ポイントと考えた。
ただし、ここ(136.00円、135.50円)を下に抜ける場合はさらなる「売りシグナル」で、下落スピードが加速する可能性がある、と考える。
136円台の安値をつけてからのユーロ/円は、反転して140円台にまで上昇している。
現在のユーロ/円は、「赤の破線」で示した約10円幅のボックス相場を形成中と考える。
(出所:米国FXCM)
このボックス相場の上限は高値の145円台ミドル、下限は136.00円または、135.50円と考える。
ユーロ/円は、日足チャートに表示したサポート・ライン「青の破線」に
従って上昇していたが、このサポート・ライン「青の破線」を、割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
相場がまだ走り出していないので、今後の値動きが大きなものになるか否か断定はできないが、この「売りシグナル」のターゲットは、ボックス相場「赤の破線」の下限(136.00円、または135.50円)となる。
■4時間足のボックス相場の下限139.80を割り込むと要注意
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/円は、136円台前半にまで下落したが、そこから反転して、上昇している。
(出所:米国FXCM)
なお、上のチャートには、136円台前半の安値は表示されていない。
136円台前半からの上昇過程では、141円台前半が、レジスタンス「赤の細線」になっていたが、上に抜けた時点で、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、143円台にまで上昇している。
現在の相場は、「緑の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。
ボックス相場「緑の破線」の下限は、140.00円近辺と考えていたが、直近の値動きで、140.00円を下に抜けて、139.85円-139.90円レベルをつけた。
この値動きから、ボックス相場「緑の破線」の下限は、139.80円近辺と修正する。
(出所:米国FXCM)
4時間足のような短時間のチャートでは、ユーロ/円が上述のボックス相場「緑の破線」を形成中というだけで、特段の事柄(トレンドやシグナルなどの取引の手がかりとなるもの)は今のところ、発見できない、と考える。
ごく目先の相場では、サポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、
「売りシグナル」を発したが、下値には、ボックス相場「緑の破線」の下限が控えている。
ただし、このボックス相場「緑の破線」の下限を割り込む場合は、「売りシグナル」なので、要注意と考える。
■激しい上昇のあとなので相応の大きな調整局面を想定
昨年(2013年)12月18日(水)に、テーパリング(米国の量的緩和策の縮小)の開始が決まった。
この材料(テーパリング開始)は、基本的に「米ドルの材料」だから、ユーロ/円のような、米ドルを介在しないクロス取引には、直接関係がない。
もちろん、米ドル/円やユーロ/米ドルの対米ドル取引が動けば、結果的にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も動くが、どのように動くのかを、事前に予測することは非常に難しい、と考える。
ただし、ユーロ/円の94円台から145円台への上昇が激しいものだったのだから、調整下落がある場合は、相応の大きな調整局面を想定する必要がある、と考えている。
(2014年05月14日 東京時間14:05記述)
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