ザイFX!編集部です。FXビギナーの高山えみりさんとマンガ家・小田原ドラゴンさんがトレード直前にこっそり西原宏一さん勝ち方を聞きに行く企画の第2回目。今回は通貨の値動きの読み方について。
■ずっと持ってれば戻ることも。ロスカットって必要ですか?
【小田原ドラゴン】 あの、やっぱりロスカットっていうのは絶対にやらなきゃいけないものなんでしょうか。ぼくは2008年の始め、1ドル107円の時に預けた外貨預金が手つかずで残っています。1ドル76円になった時にはもう永遠に戻らないかとも思いましたが、そのまま放置していたら(利息込みで)もう少しでプラマイゼロです。
【西原宏一】 そりゃずーっと持ってればいつかは戻るかもしれないけど、何年かかるかわからないし、必ず戻るという保証もない。それなら傷の浅いうちに撤退して、残った資金で別の手を打ったほうが絶対いいと私は思うなあ。というか、ストップロス(ロスカットの注文)を入れないという発想は私にはあり得ないので、それについては何も言えません。
【高山えみり】 短期間で少しでも多くの利益を上げるには、チャンスを求めていろんな通貨ペアにチャレンジしたり、チャートの上下に合わせて売ったり買ったり、小まめな売買を繰り返したほうがいいですか?
【西原宏一】 通貨はある程度、決めたほうがいいと思う。それから小まめに利益を確定していくのはいいとしても、買ったり売ったりやっていると戦略がこんがらがってワケがわからなくなるから、買いなら買い/売りなら売りと決めた上でやるほうがいいと思います。
【高山えみり】 私は値動きが大きくて相性のいい豪ドルを狙って、トレードする作戦なんです。買いか売りかは、これから決めようと思います。

【西原宏一】 豪ドルの上げ下げを予測する上で、いちばん注目するのは何だと思いますか?
■豪ドルならRBAのスティーブンス総裁の発言に注目
【高山えみり】 中国の経済動向でしょうか。オーストラリアは鉄鉱石や石炭などの資源国で、その輸出先は中国なので。

【西原宏一】 オーストラリア経済や豪ドルの展望という面では正解です。ただ、それはもうちょっと大きな流れというか、長期的視野のために備えておくべき知識でね。短期勝負のこの戦いでは、スティーブンスRBA(オーストラリア準備銀行)総裁の発言に注目してください。
【高山えみり】 スティーブンスさんという人は、問題発言が多いんですか?
【西原宏一】 いやいや、金利を引き上げるとか引き下げるとか、そういう話が出るかに注目するんですよ。豪ドルは政策金利の動向が値動きを左右する、先進国では今どき珍しい通貨ですからね。

【高山えみり】 政策金利ってなんでしたっけ?
【西原宏一】 その国の中央銀行が、市中の銀行にお金を貸すときの金利のことです。政策金利が下がれば、市中の銀行はお金を貸し出しやすくなります。例えば企業向け融資や個人向けだと住宅ローンの金利を低く設定できたりとかね。
次回、5月22日は、えみり&ドラゴンが勝ち方を聞きにいく、第3弾「日本の金融緩和」について
(取材・文/ザイFX!編集部 撮影/山本祐之)
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