■ユーロ/米ドルはオプションバリアに阻まれている
今回はユーロ/米ドルの分析を行なう。まず、週足チャートからご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
週足チャートには、中長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」を表示している。
ゴールデン・ウィーク明け(2014年5月8日)のユーロ/米ドルは、1.4000ドル近辺(高値は「1.3990-95ドルレベル」)まで急上昇した。
その値動きで、この中長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」を上に抜けたようにも見えたのだが、まだ、このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」は有効と考えている。
それで、レジスタンス・ライン「青の破線(太線)」の傾きを緩やかにして、直近の高値(1.4000ドル近辺)に合わせ、修正した。
なお、「青の破線(細線)」は、「青の破線(太線)」の平行線だ。
ユーロ/米ドルが1.40ドル台に明確に乗せる場合、つまり1.4050ドル近辺を上に抜ける場合が「買いシグナル」と考える。
1.4000ドル、1.4050ドルには、大量の為替オプション取引が組まれているのだろう、と推測する。
よって、1.4000ドル、1.4050ドルのオプションが、バリア(抑制)になっていると推測する。
(出所:米国FXCM)
サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んで以降は、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」に従って下落した、と考える。なお、「緑の破線(細線)」は「緑の破線(太線)」の平行線だ。
そして、上のチャートを見てわかるように、ユーロ/米ドルはリバウンド(上昇)して、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けている。
レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」を上に抜けたので、その時点で、「買いシグナル」を発した。
■ユーロ/米ドルは三角保ち合いを形成中
週足チャートで見る限りでは、この「買いシグナル」を発した時点で、ユーロ/米ドルが、もう一段上昇する可能性を示唆している。
1.20ドル台からの上昇で、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を表示した。なお、サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線を表示している。
中長期のチャートで見ると、ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「青の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、三角保ち合い(ウェッジ)を形成中と考える。
(出所:米国FXCM)
■2012年下旬から1.26ドル台-1.39ドル台での上下動
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。
2012年10月、11月以降、現在までのユーロ/米ドルは長期にわたり、概して1.26ドル台から1.39ドル台で上下動を繰り返している、と言える (チャートは、2013年1月以降のもので、2012年10月は表示されていない)。
(出所:米国FXCM)
2013年の2月、3月頃のユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「青の破線」に従って下落したのだが、安値1.27ドル台ミドルから、大きく反発上昇している。
レジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルはこの「買いシグナル」に従い上昇したが、1.3000ドル程度を中心に保ち合いに推移し、結果的に、「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)を形成した、と考える。
(出所:米国FXCM)
このボックス相場「紫の破線」の中に、短期のサポート・ラインや、短期のレジスタンス・ラインを引くことができる。
そして、短期のサポート・ラインを割り込む場合は「売りシグナル」、短期のレジスタンス・ラインを上に抜ける場合は「買いシグナル」を発した、と考える。
しかし、このボックス相場の中での動きだったので、その表示は省略する。
2013年9月18日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、テーパリング(量的緩和策の縮小)が開始されると想定されていたのだが、この時点(2013年9月)では予想外に「米国の量的緩和策の縮小のスタート」が延期された。
テーパリング延期を材料に、「ユーロ買い・米ドル売り」となり、「下値1.27ドル台ミドル-上値1.34ドル台ミドルのボックス相場」(紫の破線)の上限を上に抜けて「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルは、それまでの高値(1.37ドル台前半)を更新して…
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