ザイFX!編集部です。いよいよトレード対決開始前、最後の回です。初心者同然の高山えみりさんとマンガ家・小田原ドラゴンさんは、対決前に密かにザイFX!のコラムが大人気の西原宏一さんにFXの勝ち方を聞きにいきました。その4回目。いよいよ秘策の登場です。果たしてその内容とは?
■「オプションバリア」の攻防に注目!
【ザイFX!】 あの~、小田原ドラゴンさん。さっきから難しい顔しちゃってますけど、大丈夫ですか?
【小田原ドラゴン】 あ、ハイ。ちゃんと聞いてます。ただ、聞けば聞くほど、普通にやってちゃ勝てないんじゃないか、一発勝負を狙っていかないと儲からないんじゃないかと思えてきちゃって。
【西原宏一】 それじゃあ、リスクを抑えつつ一発勝負できる方法を教えましょうか。
【小田原ドラゴン】 な!そんな方法があるんですか?
【西原宏一】 過去につけた高値や安値、いわゆる「節目」というやつですが、中でも長らく超えてない大きな節目のところには「オプションバリア」というのがあります。チャートでは見えませんけど、あるんです。
【高山えみり】 オプション?
【西原宏一】 「オプション」というのは、ある価格に達すると権利が発生したり消滅したりする取引のことです。例えば「○月○日までに1ドル=105円を付けなければ、1ドル=100円で買うことができる」などの約束ですね。
【小田原ドラゴン】】 はい。
【西原宏一】 過去の大きな節目は、オプションの設定条件(ノックアウト価格)になっていることが多い。つまり、その価格に達したら、有利な価格で売買する権利が消滅してしまう人たちがいるんです。そうなるのは嫌だから、オプションを持っている側は、その価格にならないように、防御する注文を大量に出すんです。
【小田原ドラゴン】 なるほど、突破するのにお金を使わせるバリアなんですね。
【西原宏一】 そうそう。例えば105円に付けさせないようにするには、104円95銭、96銭、97銭、98銭、99銭と、売りの注文をずらりと並べる。一方で、こういうオプションを持っていない側は、何とか105円につけてこのバリアーを突破しようとする。ここで激しい攻防が繰り広げられるわけ。
【高山えみり】 でも、防御するほうもそれだけお金を使うことになって大変では?
【西原宏一】 その通り。防衛する側もバリアーのために際限なくポジションを膨らませるわけにはいかないから、バリアーのために売り建てたポジションは、そのまま儲かるようなトレンドに変わらない限り、ほどほどのところで買い戻します。
【高山えみり】 そうすると、防御側の買い戻しが、再び値動きをバリアーに近づけることになりますね。
【西原宏一】 大きな節目ほど攻防も激しくなるから、あっさりとはいかない。しばらくはバリアーにアタックしては跳ね返され、またアタックする…という動きを繰り返すことになります。そこで、跳ね返される側に全力で突っ込むのです。そして、ほどほどのところで利益確定する。このやり方で、何回かは全力勝負ができるでしょう。

【小田原ドラゴン】 でも、バリアーを突破されてしまったら、悲惨な目に遭いますよね。
■節目のちょっと上にストップロスを忘れずに!
【西原宏一】 ですから、節目となる価格のちょっとだけ上に、ストップロス(損切り予約)の注文を入れておくのです。例えば105円が節目なら105円20銭とか。そうすることで損失は限定されるので、ズルズルと資金を失うことにはなりません。
【高山えみり】 節目を超えると形勢が決まって、一気にトレンドが変わることが多いと教わりました。
【西原宏一】 節目を抜けると重石が取れて、一気に値動きが加速するということはあります。防衛していた側にとっては、もうその価格を守る意味はなくなるし、バリアーのために建てたポジションは損失になるので、傷の浅いうちに回収しようとなるからね。
【小田原ドラゴン】 じゃあ、そこはストップロスだけじゃなくて、買い注文も入れたほうがいいところですね。そのまま青天井で上げるでしょう!

【西原宏一】 ただ、その次の節目がどこにあるかは確認しておく必要があります。「長らく超えていないところ」を狙うのはそのためです。相場には「防衛側の有利な条件を消滅させればそれでよし」という立場のプレイヤーもいます。
【小田原ドラゴン】 ドル円の105円に注目しておけばいいんですか?
【西原宏一】 いやいや、いまは説明のために105円を攻防ラインとしましたが、実際には今年1月に付けてしまっている値段なので大きな節目とは言えません。ドル円なら110円のあたり、あとはユーロドルの1.4000とかが狙い目です。いろいろ探してみてください。

【小田原ドラゴン】 わかりました(節目は愛犬の「ちょんびー」に探させるか…)
【西原宏一】 今年に入ってからドル円、ユーロ円、ポンド円、主だった通貨はずっと膠着状態で、このままだと大きな利益を上げるのはやや難しい展開です。ただし、これからトレンドが動けば、対決も盛り上がるでしょう。いい相場が来ること、お二人がライバルを制して勝利することを祈ってます。頑張ってください!
さて、5月26日から、10万円自腹投資の4人のトレード対決が始まります! 月曜日はボビー・オロゴンさんの報告からです。お楽しみに!
(取材・文/ザイFX!編集部 撮影/山本祐之)
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