■2009年半ばから2012年までは72円-90円のボックス相場
今回は豪ドル/円の分析を行なう。まずは週足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/円は、2007年の高値108円台から2008年の安値55円近辺にまで、大きく下落した(下のチャートでは、108円台の高値は表示されていない)。
(出所:米国FXCM)
55円まで下落した後は、下値55円-上値72円の下値保ち合いを短期間続けた。
55円の安値から、一番左の1本目のサポート・ライン「ピンクの破線」に沿って上昇が始まった。
この上昇は、2010年春ごろにこのサポート・ラインを割り込んで終わり、「売りシグナル」を発して、下落に転換した。
この下落は72円でサポートされ、再び上昇に転じた。
その結果、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」が現れた。
(出所:米国FXCM)
2本目のサポート・ラインに沿った上昇がしばらく続いたのだが、2011年3月に米ドル/円が急落したことにつられて豪ドル/円も大きく下落し、2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した。
ところが、大きく下落した直後に、G7(先進7カ国)による米ドル/円の協調介入が行なわれたために、その影響を受けて豪ドル/円も90円まで強烈に担ぎ上げられた。
しかし、介入の効果が薄れてくると徐々に垂れ下がり、再び2本目のサポート・ライン「ピンクの破線」を割って、改めて「売りシグナル」を発した。
(出所:米国FXCM)
この2度目の「売りシグナル」に従い相場は大きく下落し、2011年3月の米ドル/円の急落につられて記録した豪ドル/円の安値と過去の最安値を結んだ、便宜上の3本目のサポート・ライン「赤の破線」も下に破って下落した。
この時も72円でサポートされ、88円近辺まで大きく反転上昇している。
そこから再度下落したのだが、その下落は、72円(ボックス相場の下限「緑の破線」)にまで届かないうちに終わって反発し、4本目のサポート・ライン「青の破線」が現れた。
結果的には2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。
■2013年初めにボックス相場を上抜けしターゲット達成か
そして、2013年初めに、「緑の破線」で囲った「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を上に抜けたことで「買いシグナル」が点灯し、上昇を始めた。
(出所:米国FXCM)
ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。
このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円であるから、ターゲットは108円になる。
しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。
現時点で、今回の高値は105円台半ば(105.40-50円)程度だ。
ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。
しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった、“いいかげんなもの、大まかなもの”である。
豪ドル/円は、105円台の高値から下落に転じ、現在は「紫の破線」で示したボックス相場を形成中と考える。
(出所:米国FXCM)
直近の高値は、このボックス相場「紫の破線」を上に抜けたようにも見える。しかし、明確に上抜けした(上抜け後に急騰した)とは言えない状態だ。今のところ、このボックス相場「紫の破線」が維持されている、と考える。
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は…
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