■ユーロ/円は、2008年に約170円の高値から下落
今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、週足チャートからご覧いただきたい。
ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値から下落している。
その下落過程では、レジスタンス・ライン「緑の破線」に従った、と考える。
(出所:米国FXCM)
このレジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発し、上昇トレンドに転じた、と考える。
上の週足チャートに、「94.00円-112.00円のボックス相場」(赤の破線)を表示した。
ユーロ/円は、このボックス相場を形成していた、と考える。
ユーロ/円は、この「94.00円-112.00円のボックス相場」の上限を抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/円の上昇過程では、その値動きから幾通りかのサポート・ラインを引くことができるが、上のチャートには最もその傾きが緩やかなものを表示した。
「青の破線」で示したサポート・ラインだ。
■145円台まで上昇後、上下動を繰り返したのち売りシグナル
ユーロ/円は、139円台ミドルを上に抜けた時点で、2009年の高値を更新した。
2009年の高値を更新したことで、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は上昇して高値145円台をつけている。
(出所:米国FXCM)
しかし、安値131円台から、145円台までの上昇スピードが速すぎるので、然るべき調整(下落)があるだろう、と考えていたが、145円台からは反転急落して、136円台にまで下落している。
136円台から143円台にまで大きく反発(上昇)したが、結局このサポート・ライン「青の破線」を割り込んでいる。
このサポート・ライン「青の破線」を下に抜ける場合は、「売りシグナル」と考える。
この「売りシグナル」発生後、しばしの間、相場は横ばいに推移した。これは、すでに「売りシグナル」は発せられた状態だったのだが、相場が、まだ動き出していない状態が続いていたのだ、と考えている。
それで、「下値にある重要なサポート・ポイント(140.00円)を下に抜けるのか? あるいは、140.00円が守られるのか?」に注目していた。
140.00円を割り込み、改めて「売りシグナル」を発した、と考える。
■日足チャートでもサポートラインを割り込む
続いて、日足チャートをご覧いただきたい。
日足チャートに表示したように、ユーロ/円はサポート・ライン「青の破線」に従って大きく上昇した(上昇していた)、と考える。
(出所:米国FXCM)
なお、このサポート・ライン「青の破線」は、先の週足チャートのサポート・ライン「青の破線」とは、違うものだ。
そして、この日足チャートのサポート・ラインの引き方でも、サポート・ラインを割り込んで、「売りシグナル」を発した、と考える。
■日足ではボックス相場を繰り返しながら上昇
ユーロ/円は、その上昇の過程で、日足チャートに「緑の破線」で示した「下限118円台ミドル程度-上限127円台ミドル程度」の約9円幅のボックス相場を形成した。
(出所:米国FXCM)
2013年4月4日(木)の日銀政策決定会合の発表前の時点で、想定外の(想像を超える)「異次元の金融緩和策」が発表されると、ユーロ/円は、このボックス相場の上限を上に抜けて「買いシグナル」を発した。
ユーロ円は、この「買いシグナル」に従い、昨年(2013年)の5月下旬に133円台の高値をつけた。
しかし、2013年6月3日(月)に130.00円を割り込み、129円台ミドルにまで急落している。
ユーロ/円の130.00円割れには(つまり、ユーロ/円の129円台後半には)、ストップ・ロス・オーダー(損切りのユーロ売り注文)が集中していた、と考える。
そして、ユーロ/円は125円割れ(124円台後半)まで急落している。
しかし、125円割れ(124円台後半)からは、大きく反転急上昇している。
125円割れ(124円台後半)からの反転急騰の理由は、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、米国の出口戦略(=量的緩和策の終了スケジュール)について発言したことを材料に、米ドル/円での「ドル買い・円売り」が出たことだ。
米ドル/円急騰の影響から、ユーロ/円は上昇している。
結果的に、昨年(2013年)の4月上旬以降のユーロ/円は…
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