今回は米ドル/円の分析を行なう。まず、週足チャートからご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
■米ドル/円は75円-86円のボックス相場が2年以上続いた
米ドル/円は、2007年6月の高値124円台から、2011年10月の安値75円台まで下落した。
それで、従来の週足チャートでは、2007年6月の高値124円台を表示するようにしていた。
しかし、期間を長くすると、チャートの表示が見難くなるので、週足の数を少なくした。
その結果として、2007年6月の高値124円台は表示されていない。
週足チャートを見ると、2012年2月の時点で、レジスタンス・ライン(1)「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した。
米ドル/円は、この「買いシグナル」に従い、84円台にまで上昇したが、84円台を高値に下落に転じている。
その結果、新たにレジスタンス・ライン(2)「ピンクの破線」が現れた。
2012年10月に、新たに引いたレジスタンス・ライン(2)「ピンクの破線」を上に抜けて、改めて「買いシグナル」を発した、と考える。
再掲載した下の週足チャートには、「75.00円-86.00円のボックス相場」を、「赤の破線」で表示している。
(出所:米国FXCM)
下限は、歴史的最安値の75.32円と断定することもできるので、「75.32円-86.00円のボックス相場」と考えてもOKだ。
2010年半ばから2012年12月末まで、2年以上にわたり、このボックス相場が続いた。
しかし、このボックス相場の上限86.00円を上に抜ける場合は、「買いシグナル」となる。
■直近は102円台半ばを挟んで「保ち合い」に
米ドル/円は、サポート・ライン「青の破線」に従って上昇した、と考える。
103円台後半の高値を更新した時点で、「買いシグナル」を発した、と考える。
しかし、この週足チャートのラインの引き方でも、サポート・ライン「青の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、米ドル/円は100円台後半まで下落したが、100円台後半が底堅くなっている。
この週足チャートに表示したサポート・ライン「青の破線」の傾きを、さらに緩やかにする必要があるのか、このままの引き方で良いのか、迷っていた。
しかし、米ドル/円の上値が重かったので、今のところ、このままの引き方で良い、と判断している。
サポート・ライン「青の破線」を割り込んで以降の米ドル/円は、102円台ミドル程度を中心レートにした「保ち合い」に推移している。
今後の値動きで、100円台後半の安値を下に抜ける場合は、この週足チャートに表示したサポート・ライン「青の破線」のままで良いのだが、今後の 値動きで、100円台後半がサポート(保持)される場合は、傾きをさらに緩やかにした、新たなサポート・ラインを引く必要が出てくる。
■2013年5月上旬に103円まで上昇したものの、その後急落
次に、日足チャートをご覧いただきたい。
2013年のゴールデン・ウィークを終えた2013年5月9日(木)に、米ドル/円は100.00円を上に抜けた。
(出所:米国FXCM)
なかなか突破できなかった100.00円を上に抜けたことで、「買いシグナル」が点灯した、と考える。
米ドル/円は、この「買いシグナル」に従い上昇して、103円台の高値をつけてから、下落に転じている。
調整下落する局面があれば、100.00円は、強いサポート・ポイントになる可能性がある、と考えていたが、あっさりと100.00円を割り込み、98円台後半をつけた。
100円割れ(=99円台)には、ストップ・ロス・オーダー(損切りの米ドル売り注文)が集中していた、と考える。
■2013年6月下旬以降、97円台から99円台の保ち合いに
そして、米ドル/円は、94.00円割れ(93.75円-93.80円レベル)まで大きく急落したが、94.00円割れ(93.75円-93.80円レベル)から反転上昇し、101円台にまで戻している。
(出所:米国FXCM)
この反転上昇のきっかけは、2013年6月19日(水)のFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、米国の量的緩和策の出口戦略(テーパリング)について発言したことだ。
日足チャートに「紫の破線」で表示したように、米ドル/円は2013年4月から2013年12月にかけて、「下値94.00円程度-上値104円程度の約10円幅のボックス相場」を形成した、と考える。
米ドル/円が90.00円を越えて以降の値動きで、サポート・ライン「緑の破線」を引くことができる。一方、103円台をつけて以降の値動きでは、レジスタンス・ライン「赤の破線」を引くことができる。
米ドル/円はレジスタンス・ライン「赤の破線」とサポート・ライン「緑の破線」で、「ウェッジ(三角保ち合い)」を形成した、と考える。
この「ウェッジ(三角保ち合い)」を明確に上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
日足チャートを見てのとおりに、2013年12月に…
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