■新たに導入された新興国通貨ペアは?
FX業界の中でも特に、取扱い通貨ペアが豊富なOANDA JapanとIG証券。2014年8月1日現在、OANDA Japanは73通貨ペア、IG証券は95通貨ペアの取扱いを誇ります。
そんな2社が、相次いで2014年7月、新たに新興国通貨ペアの導入を発表しました。それぞれ導入された通貨ペアは、下表のとおりです。

OANDA Japanでは、米ドル/中国人民元(USD/CNH)を追加。IG証券では、一気に7通貨ペアが追加されました。このうち、中国人民元絡みの通貨ペアは、米ドル/中国人民元(USD/CNH)のほか、CNH/JPY(中国人民元/円)やユーロ/中国人民元(EUR/CNH)、豪ドル/中国人民元(AUD/CNH)の4通貨ペアが追加されています。
OANDA Japanでは、以前から米ドル/中国人民元(USD/CNY)が、IG証券では、米ドル/中国人民元(USD/CNY)と中国人民元/円(CNY/JPY)の取扱いはありましたが、今回追加されたのは、それぞれオフショア人民元である「CNH」の通貨ペアです。
OANDA JapanとIG証券では、「CNY」も「CNH」も取引できるということですね。他の会社では、中国人民元の取り扱いがあっても、たいてい「CNY」か「CNH」かのいずれかの取り扱いのみですので、両方取引できるのは珍しいパターンと言えます。
■中国人民元には「CNH」と「CNY」がある
当コーナーでもこれまで何度か「CNY」と「CNH」の違いについて取り上げてきましたが、ここで改めて確認しておきましょう。
中国人民元は特殊な通貨で、「CNY」は中国本土市場やNDF市場(※)で取引されているものを指し、「CNH」は香港オフショア市場で取引されているものを指します。
(※「NDF」とは、ノン・デリバラブル・フォワードの略。ざっくり言うと、特殊な先物取引のようなもの)
同じ中国人民元でありながら、流通している市場が異なるということで、通貨記号は別なのです。値動きについては、まったく同じではないものの、「CNY」と「CNH」は、おおよそ似たような動きをすることが多いようですよ。
試しに、OANDA Japanのチャートで対米ドルでの「CNY」と「CNH」のチャートを見てみましょう。
大きな流れとしては似たような動きをしていますが、直近のチャートの形は少し違いますね。ちょっと「CNH」の方が米ドル高が進んでいるようですが、いったん、米ドル高へ向かう流れになってから、再度、中国人民元高へ向かう流れに戻ったようにも見えますね。
これは中国人民元を買うなら、今がチャンスなのか? 今後の動きが気になるところです。
■スワップ金利に違いがあることが多い
似たような動きをすることが多い「CNY」と「CNH」ですが、スワップ金利については、事情が異なるようです。
通常、高金利通貨を買い、低金利通貨を売る取引をすると、受取りで発生するスワップ金利については、「CNY」の場合、買っても売っても支払いとなるケースが多く見られます。
一方、「CNH」であれば、中国人民元を買い、対円や対米ドルなどの低金利通貨を売る取引をすると、比較的安定して受け取りスワップ金利が発生しているようです。
中国人民元の場合、「CNH」であれば、金利を狙った中長期取引を検討するのも良いかもしれませんね。詳しくは、これまでに紹介した以下の記事をご覧ください。
【参考記事】
●上田ハーローFXに人民元(CNH)登場!為替差益とスワップのダブルインカム!?
●わずか1通貨単位で中国人民元が買える!米ドル/円を買うより人民元/円を買う手も?
●セントラル短資FXから新商品登場(1)人民元/円(CNH/JPY)の取扱い開始!
●サイバーエージェントFXで最大8000円がもらえる! 中国人民元/円も取引可能に!
●着実に儲かる夢の通貨ペアなのか? サクソ系で米ドル/人民元の取引開始!
■ザイFX!で中国人民元(CNH)チャートが見られる!
ちなみに、ザイFX!の「FXチャート&レート」では、中国人民元/円(CNH/JPY)のチャートをご覧いただくことができます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:中国人民元/円 5分足)
【参考記事】
●グングン上昇中! 中国人民元/円の為替チャートをザイFX!で掲載開始
1分足から月足まで10種類の時間軸でチャートを見ることができますので、興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
【参考コンテンツ】
●ザイFX!「FXレート&チャート」:中国人民元/円チャート
■1通貨単位から取引できて、米ドル/円0.3銭原則固定!
そんな2社ですが、実は、OANDA Japanの[fxTrade・ベーシックコース]の取引単位は、最低1通貨単位! とても小さな単位から取引できるのが特徴です。もちろん、今回新たに導入された米ドル/中国人民元(USD/CNH)についても、同じく1通貨単位から取引が可能ですよ。
まずは、小さな単位で取引を試してみるのもありですね。なお、OANDA Japanのもう1つのサービス、[MetaTrader4・ベーシックコース]の最低取引単位は1000通貨、IG証券に関しては、[ミニ取引]で最低取引単位が1万通貨、[標準取引]だと10万通貨単位です。
同じ通貨ペアでも、各社、各口座によって最低取引単位が異なりますので、注意してくださいね。
そういえば、OANDA Japanについては、米ドル/円スプレッド0.3銭原則固定と、こちらもかなりのハイスペック! 当記事の主役は、新たに取扱いが始まった新興国通貨ですが…ここは、新興国通貨だけではなく、主要通貨にも注目しておきたいところです。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:取引コストで比べる「米ドル/円」スプレッドの狭い順
■ロシアルーブルやインドルピーも追加されたが…
次に、IG証券で新たに追加された中国人民元(CNH)以外の通貨ペアについて見ていきましょう。中国人民元(CNH)絡みの通貨ペア以外だと、米ドル/ロシアルーブル(USD/RUB)、ユーロ/ロシアルーブル(EUR/RUB)、英ポンド/インドルピー(GBP/INR)が追加されました。
このうち、米ドル/ロシアルーブル(USD/RUB)については、もともと取扱いがありましたが、以前は米ドル建てでの提供だったものが、今回新たにルーブル建てでの提供に変わったのだそうです。
いや~、それにしても見るからにマニアックなラインナップですね。
ロシアルーブルと言えば、2014年2月頃に発生したウクライナ問題を受けて、一時暴落する場面も見られた通貨。動向が気になると言えば気になりますが、ぶっちゃけ最近の動きはどうなのでしょうか? IG証券の米ドル/ロシアルーブル(USD/RUB)チャートを見てみると…?
何やら緩やかな右肩上がりに見えなくもありません…。米ドル高・ロシアルーブル安が進んでいるということですね。もしかしたらこのままジリジリ上昇するのかも? 興味のある方は、今後の値動きをチェックしてみてくださいね。
【参考記事】
●知ってた? 結構色々なFX会社で取引できるロシア、中国、トルコなどの新興国通貨
ということで、今回は珍しい新興国通貨の取扱いがスタートしたOANDA JapanとIG証券に注目してみましたが、いかがだったでしょうか?
ここ最近、ここまで米ドル/円に動きがないと、ちょっと別の通貨にも目を向けてみたいところです。いきなり新興国通貨はハードルが高い…という方も、ぜひ一度値動きをチェックしてみてはいかがでしょうか。もしかしたら、思わぬトレードチャンスに出会えるかもしれませんよ!?
>>>IG証券[ミニ取引]の詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>IG証券[標準取引]の詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>OANDA Japan[fxTrade・ベーシックコース]の詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
>>>OANDA Japan[MetaTrader4・ベーシックコース]の詳細はザイFX!の比較コンテンツをご覧ください
(ザイFX!編集部・向井友代)
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