■ドル/円週足での売りシグナルはトレンド転換ではなく調整
今回は、米ドル/円の分析を行なう。まず、週足チャートからご覧いただきたい。
下の週足チャートには、「75.00円-86.00円のボックス相場」を、「赤の破線」で表示している。
(出所:米国FXCM)
下限は、歴史的最安値の75.32円と断定することもできるので、「75.32円-86.00円のボックス相場」と考えてもOKだ。
2010年半ばから2012年12月末まで、2年以上にわたり、このボックス相場が続いた。
しかし、このボックス相場の上限86.00円を上に抜ける場合は、「買いシグナル」となる。
なおかつ、この「75.00円-86.00円のボックス相場」を上に抜けた場合のターゲットは、97.00円近辺であることを表示している。
そして、先の週足チャートに示したように、すでに97.00円近辺のターゲットは達成し、ターゲット達成後も、さらに大きく上昇している。
米ドル/円は、サポート・ライン「青の破線」に従い大きく上昇したが、このサポート・ラインを割り込み、「売りシグナル」を発した。
(出所:米国FXCM)
この「売りシグナル」に従い、米ドル/円は、93円台にまで急落したが、93円台から101円台に反転上昇している。
大局で見れば、この「売りシグナル」は「トレンド転換」を示すのではなく、調整局面(調整の下落局面)に入ったことを示していたのだ、と考える。
■目先は102円台ミドルを中心とした保ち合いに
下の週足チャートでは、サポート・ライン「青の破線」の傾きを、緩やかにして、表示している。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円が103円台後半の高値を更新したので、この週足チャートの方が、現実の相場にマッチしている、と考える。
103円台後半の高値を更新した時点で、「買いシグナル」を発した、と考える。そして、この「買いシグナル」に従い、高値は105円台をつけている。
しかし、この週足チャートのラインの引き方でも、サポート・ライン「青の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この「売りシグナル」に従い、米ドル/円は100円台後半まで下落したが、100円台後半が底堅くなっている。
この週足チャートに表示したサポート・ライン「青の破線」の傾きを、さらに緩やかにする必要があるのか、このままの引き方で良いのか、迷っていた。
しかし、米ドル/円の上値が重かったので、今のところ、このままの引き方で良い、と判断している。
サポート・ライン「青の破線」を割り込んで以降の米ドル/円は、102円台ミドル程度を中心レートにした「保ち合い」に推移している。
今後の値動きで、100円台後半の安値を下に抜ける場合は、この週足チャートに表示したサポート・ライン「青の破線」のままで良いのだが、今後の値動きで、100円台後半がサポート(保持)される場合は、傾きをさらに緩やかにした、新たなサポート・ラインを引く必要が出てくる。
■100円台後半がサポートされる可能性が出てきた
先週(7月28日~)の値動きで、米ドル/円は、レジスタンスのポイントだった102円台ミドルを上に抜けた。
微妙な局面だが(つまり、まだ明確な判断ができないが)、100円台後半(100.80円近辺)が、サポートされる可能性が出てきた。
つまり、サポート・ライン「青の破線」の傾きを、さらに緩やかにして、表示する必要があるのかもしれない。
しかし、現時点ではまだ明確な判断ができない、と考える。
■2013年5月上旬に103円まで上昇したものの、その後急落
次に、日足チャートをご覧いただきたい。
2013年のゴールデン・ウィークを終えた2013年5月9日(木)に、米ドル/円は100.00円を上に抜けた。
(出所:米国FXCM)
なかなか突破できなかった100.00円を上に抜けたことで、「買いシグナル」が点灯した、と考える。
米ドル/円は、この「買いシグナル」に従い上昇して、103円台の高値をつけてから、下落に転じている。
調整下落する局面があれば、100.00円は強いサポート・ポイントになる可能性がある、と考えていたが、あっさりと100.00円を割り込み、98円台後半をつけた。
100円割れ(=99円台)には、ストップ・ロス・オーダー(損切りの米ドル売り注文)が集中していた、と考える。
そして、米ドル/円は、94.00円割れ(93.75円-93.80円レベル)まで…
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