毎週毎週、世界中でさまざまな経済指標が発表され、政治・経済関連のイベントがいろいろと行われています。では、為替相場に大きな影響を与えるのはどのイベントなのでしょうか? その週はどのイベントに注目すればいいのでしょうか?
ザイFX!ではこのたび、東京とロンドンをつなぐ「ほっとLINE」を開設!? その「ほっとLINE」では東京在住の西原宏一さん、ロンドン在住の松崎美子さんという2人の元為替ディーラーが、週末~週初にその週の注目イベントについて話し合い、トレード作戦を練っています。
今回から始まった当コーナー「FXほっとLINEで作戦会議」では、東京⇔ロンドンを結んで開かれている、その作戦会議の模様をホットにお届けいたします。
当コーナーは原則、毎週月曜日夕方に更新いたします。
なお、記事末尾で詳しくご紹介しますが、当コンテンツの速報版はザイFX!がお届けしている西原宏一さんの有料メルマガ「FXトレード戦略指令!」でも配信されています。こちらの配信は原則、毎週月曜日の午前中です。
作戦会議の内容をいち早く知りたいという方は「FXトレード戦略指令!」にぜひご登録ください。10日間の無料体験期間もあります。
(ザイFX!編集部)
■大注目のECB理事会はどう転んでもユーロ売り!?
今週の注目はECB(欧州中央銀行)理事会と米雇用統計の2つですが、特に大注目なのがECB。焦点はABS(資産担保証券)やカバードボンド(※)買い取りプログラムの詳細。この金額がいくらになるのか。
予想は3000億ユーロから5000億ユーロまで開きがあります。予想上限の5000億ユーロだとしても、ECBが公言している1兆ユーロのバランスシート拡大には、先日公開された「TLTRO」(長期資金供給オペ)入札の826億ユーロを足しても、遠く及ばない。
(※編集部注:「カバードボンド」とは、銀行などの金融機関が保有する貸付債権を組み合わせて担保とし、発行する社債のこと)
流動性を供給すればユーロ売り、流動性供給が思ったほどの規模でなければ失望からユーロ売り。どちらにしろユーロ売りの材料になるんですね。
それにドイツはショイブレ財務相や議会がABSの買い取りに大反対しています。EU(欧州連合)の超大国であり、ECBのお手本でもあるドイツ連銀を敵に回して、ドラギECB総裁はどこまで抵抗できるのか。
EUが一枚岩でないことも売りの材料。さらに今後は大きな売り材料であるQE(量的緩和)実施の可能性もあり、ECBの思惑もユーロを下げたいということ。どう転んでも売り材料ばかりじゃないですか。
今回のECBは難しいことを考えずに売りだと思う。ユーロの上がる材料って米ドル暴落か、SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])によるユーロ/スイスフランでのユーロ買い介入くらいしか思いつきません。
【参考記事】
●【警戒】スイス中銀の防衛ラインに接近!ユーロ/スイスフランを取引できる口座は?(2014年9月9日)
●為替介入で大暴落したスイスフラン!大損失を被った個人トレーダーも!?(2011年9月9日)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 週足)
今週、ユーロの上昇材料を強いてあげれば、火曜日に出るHICP(ユーロ圏消費者物価指数)の速報値。前回が前年比+0.3%でしたから、これが+0.5%にでもなれば、20~30ポイントくらいは戻すのでしょうが。
ユーロの上がる材料が見当たらないですね。マーケットが前のめりになりすぎて、ショートカバーで上昇するのを警戒する程度でしょうか。
2013年7月の安値だった1.2750ドルがレジスタンスになるでしょうから、そこを背にして売っていくのがいいんでしょうね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足)

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足)

●ドラギECB総裁記者会見
開催日:10月2日(木)20時45分(政策金利発表)
21時30分~(記者会見)
注目点:ABS、カバードボンド買い取りプログラムの金額と期間
(次ページでは月に一度のお祭り、米雇用統計の話題が…)
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