■【米ドル/円の調整】女性閣僚の相次ぐ不祥事が影響
今週(10月20日~)も指標というよりも米国株に注目でしょう。
例年10月から11月にかけてヘッジファンドの換金売りが始まり、米国株市場は下げやすいのですが、今年(2014年)は例年よりも早く始まっている模様。米国株が下がり、米国債利回りが低下し、米ドルが売られるという流れ。
この流れが続くのなら、日経平均の上値は重いし、株価の「シャドーマーケット」になっている米ドル/円がメイントレンドに戻るには時間がかかりそう。
例年の下げ幅を見ると、ダウ平均でおよそ1000~1200ポイントの下落ですが、今年(2014年)はもう1500ポイントほど下げています。チャート的にはまだ下げそうな形で、これだけ下がってもFRBはテーパリングを終了するのかどうか、これから焦点になってくるのでしょう。

(出所:米国FXCM)
ただ、米ドル/円のイメージとしては103円台につっこんでから来年(2015年)に115円あたりを目指すと思っていたので、先週金曜日(10月17日)の上昇は意外でした。
今年(2014年)のレンジの半値水準が105.50円付近。ちょうどそのあたりで戻しているのですが、日足一目均衡表の遅行スパンがローソク足をいったん割り込んでもいて、調整はもう少し長引きそうですね。

(出所:米国FXCM)
さらに第2次安倍改造内閣は、松島みどり法相のうちわ問題に小渕優子経産相の政治資金問題と、出足からつまずきました。
海外投資家は安倍内閣が2年間、大きな問題を起こさず、政権を運営してきたことを評価していましたが、それも揺らぎつつあります。最新の世論調査では、ピーク時に60%を超えていた 安倍内閣の支持率は48.1%へ低下。
小渕大臣の辞任は、さらなる内閣支持率の低下→日経平均の下落→円安トレンド調整の長期化となりそうです。

●米国株市場
ポイント:決算を控えたヘッジファンドの換金売りが継続するか

●安倍内閣の政権運営
ポイント:小渕経産相の辞任による支持率低下
■【米国株続落か】月曜日のアップル決算発表に注目
米国株の動向に影響を与えそうなのが決算。10月20日(月)にはアップル、21日(火)にはコカコーラやマクドナルド、ヤフーが決算を発表します。
アップルの決算が米国株全体の株価動向を大きく左右するのはもちろん、グローバル景気の減速を計る上でポイントとなるのは個人消費の動向。その意味で、マクドナルドやコカコーラの数字が気になります。米ドル高が企業収益にどう響いているのかという面でも、この2社の数字は重要ですね。
もうひとつ、気にしているのが原油価格の動向。WTI原油先物(※)は2年4カ月ぶりの安値をつけて下落しています。
原油価格はグローバル景気を映す鏡でもあり、80ドルを割ろうかというところまで下がっているときに日経平均や米ドル/円がバンバン上がるというのは考えにくい。
(※編集部注:「WTI」とは、米国テキサス州西部とニューメキシコ州南東部で算出される原油の総称。「WTI原油先物」は、ニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されており、NY原油先物などとも呼ばれる。「WTI原油先物」は、北米の原油価格の指標となっている)

(出所:米国FXCM)
米ドル/円は当面、1ドル=105~108円のレンジなのかなと思いますが、もう少し下値が深くなる可能性が高まってきています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)

●原油価格
ポイント:原油価格の下げ止まり
(次ページでは意外なユーロ/米ドルの強さに関する話題が…)
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