■誕生から5年で「OSE-FX(旧大証FX)」が休止
大阪取引所(旧大阪証券取引所)が2009年7月に開設した取引所FX「OSE-FX(旧大証FX)」が2014年10月23日(木)をもってサービスを休止した。
取引所FXと言えば、東京金融取引所のくりっく365が有名だが、OSE-FX(旧大証FX)はそれに次ぐ2番目の取引所FXとして誕生。しかし、わずか5年でのサービス休止となってしまった。
【参考記事】
●大証FXが誕生から5年でついに休止へ。取引所FXの行く末は? くりっく365は…

今回のOSE-FX(旧大証FX)のサービス休止により、最終取引日である2014年10月23日(木)(日本時間で言うと、この日のNY市場が終了する10月24日(金)午前6時まで)以降は、トレードすることができなくなっている。
また、最終取引日以降に決済されていないポジションがある場合は、最終決済期日となる10月27日(月)に、最終取引日の取引時間終了後に定められた最終清算数値により決済されることになる。
ただ、取引が可能な期限やポジションの決済方法などについては、OSE-FX(旧大証FX)を取り扱うFX会社によって異なるので、OSE-FX(旧大証FX)の口座を持っていて決済していないポジションがあるという方は、口座を開設しているFX会社のウェブサイトなどで確認したほうが良さそうだ。
■1米ドル=1円の超円高に!? 旧大証FXの最後を見届けた
OSE-FX(旧大証FX)は「板」が表示できるということが大きな特徴だったが、最終取引日の2014年10月23日(木)夜、マネックス証券で見たOSE-FX(旧大証FX)の板は以下のような状態になっていた。
この夜の米ドル/円相場は大きく上昇し、108円台に乗せて、店頭FXでは取引が盛り上がっているように感じられた。
しかし、OSE-FX(旧大証FX)の板は以下のとおりで、なんだか閑散としている。もの悲しさを感じさせられる情景だった。

日本時間の翌朝、NY市場が終了し、この日の取引の終了をもって、OSE-FX(旧大証FX)はいよいよ最後の時を迎えた。
そして、それからマネックス証券のOSE-FX(旧大証FX)は6時間ほどメンテナンスに入った。メンテナンスが終わって、記者は今一度、ログインして、OSE-FX(旧大証FX)を見てみた。
1つの取引所FXが終了する、その最後の姿を見届けておきたかったのだ(本当はNY市場の最後を見届ければ良かったのだが、早朝起床することができなかった…)。
ログインすれば、取引が終了したその瞬間の板の状態が見られるだろうと思ったのである。
しかし、ログインはできたが、板を表示しようとすると、以下のような表示が出てしまった。

そして、表示された米ドル/円の板は以下のとおり。OSE-FX(旧大証FX)の大きな特徴だった「板」はまだ一応、表示することができた。しかし、米ドル/円の板はなんと1円付近が表示された状態に…。

もちろん、OSE-FX(旧大証FX)だけにこの数時間で、急激な超円高がやってきたわけではない。サービス自体が終了し、正確な板情報はもはやないため、このような表示となっているのだ。為替レートらしきものは表示されているが、指値の注文数量はもはやどこにも表示されていない。
「OSE-FX(旧大証FX)はもう終わったのだ」と改めて語りかけられているかのような(?)1米ドル=1円表示だった。
■「OSE-FX(旧大証FX)」の歴史を振り返ると…
ここでOSE-FX(旧大証FX)の歴史について振り返ってみよう。
OSE-FX(旧大証FX)は2009年7月にサービスを開始。先ほども述べたとおり、FXでは珍しい「板」を導入したことでも話題となった。
【参考記事】
●大証FX特集(1) 7/21、本日スタート! 「板」のあるFX…大証FXとは?
OSE-FX(旧大証FX)の板(イメージ)

「板」とは、売りと買いの指値注文がどのレート(気配値)にどれだけの数量があるかを表示するものだ。
情報を見られるのがOSE-FX(旧大証FX)に出された指値注文のみではあったものの、売り気配と買い気配が8本ずつ、計16本もの気配値が表示されるということで注目された。
そして、2014年10月現在でOSE-FX(旧大証FX)のサービスを継続していたFX会社は以下のとおり。

サービス開始時点での取り扱いFX会社が5社。その後、複数のFX会社が新規参入する時期もあったが、一方で撤退する会社も多く、サービス休止前の2014年10月現在ではマネックス証券やカブドットコム証券など、8社がサービスを提供していた。
さらに、OSE-FX(旧大証FX)の取引金額の推移を…
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