■【ストレステスト】ユーロへの影響、欧州市場で見極めを
ちょうど今、ストレステストの結果が出ましたが(※)、事前の予想から大きく外れるものではないばかりか、資金不足額は予想より良かったくらい。予想のとおりに130行中25行が不合格となり、そのうち13行は2週間以内に資本増強計画の提出が必要とされています。
(※編集部注:この対談は10月26日(日)の夜に行なっています)
また、AQR(資産評価査定)では、2013年末時点での不良債権総額が1360億ユーロ増額の8790億ユーロに。
ただ、この瞬間にも、M&Aを含めた資本増強策を検討する銀行があるなど、新しいニュースが飛び込んできています。
海外からの資本調達、海外資産の処分となれば、ユーロ買いの材料ともなりますし、不合格銀行が新株発行や資産売却など自力で立ち直ることを断念して、政府に救済を求めるようなことになれば、 ユーロ売りとなります。
ユーロが大きく戻しそうなイメージもありませんし、あわてて動かずに欧州市場の動きを待ってから判断するのが良いのでしょう。それに今週(10月27日~)はユーロ圏の経済指標も多いんですよね。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
■【ユーロ続落か】ドイツの病みを「指標3点セット」で確認
10月31日(金)にHICP(ユーロ圏消費者物価指数)の発表が控えていますね。原油価格の下落にもかかわらず、前回から若干上向く予想。本当かなと思いますが……。

ユーロ圏10月消費者物価指数(HICP)は10月31日(金)19時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)
また、その前にはドイツで経済指標が3つ発表されます。

ドイツIFO景況感指数は10月27日(月)18時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)

ドイツ消費者物価指数(CPI)は10月30日(木)22時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)
10月のユーロ下落はドイツの貿易収支が大幅に悪化したところから始まっています。「ユーロ圏のなかでもドイツだけは大丈夫だろう」との信頼が崩れつつある。ドイツの経済指標で「やっぱりドイツもsick(病んでる)か」と確認されると、もう一段の下げがあるのでしょう。
【参考記事】
●ドイツ輸出急減でユーロ、ヤバくない? ユーロ/ドルに3200pipsもの崩落予想も…(2014年10月13日、西原宏一×松崎美子)
特に10月31日(金)の小売売上高は前回のプラスからマイナスに転じる予想となっているので、ユーロが動くかもしれないですね。

ドイツ小売売上高は10月31日(金)16時の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)

●ユーロ圏10月消費者物価指数(HICP)
発表:10月31日(金)19時
前回:前年同月比+0.3%
予想:前年同月比+0.4%

●ドイツ経済指標3点セット
○ドイツIFO景況感指数
発表:10月27日(月)18時
前回:104.7ポイント
予想:104.8ポイント(105ポイントへ改善する予想も)
○ドイツ消費者物価指数(CPI)
発表:10月30日(木)22時
前回:前年比+0.9%
予想:前年比+0.8%
○ドイツ小売売上高
発表:10月31日(金)16時
前回:前月比+2.5%
予想:前月比-0.9%
(次ページではFOMCと米ドル/円相場の見通しが…)
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