■ユーロ/米ドルは月足で「売りシグナル」点灯
今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まずは月足チャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から、1.6000ドル近辺まで大きく上昇している。
1.6000ドルの高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで大きく上下動を繰り返している。
この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には、「高値圏での乱高下」だと、判断している。
いつもではないのだが(必ずではないのだが)、一般的に、「高値圏での乱高下」は、「売りのシグナル」である。
つまり、この大きな上下動は、いずれネック・ライン(下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測している。
当然ながら、このネック・ライン(下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(下限)を割り込む場合は、その後で、大きく下落する、と考えている。
月足チャートに、サポート・ライン「ピンクの破線」を表示した。2007年頃から現在(2014年)に至るまで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すために、加筆している。
(出所:米国FXCM)
月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んでいる。
一番右のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ時点で、「売りシグナル」を発した、と考える。
また、長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を表示した。
2008年以降のユーロ/米ドルが、下落トレンド(下落傾向)にあることを示している、と考える。
1.18ドル台に「紫の破線」で水平線を表示した。
これらの2本の「紫の破線」に注目すると、ユーロ/米ドルは、「三角持合い(ウェッジ)」を形成中と考える。
長期のサポート・ライン「赤の破線」を表示した。
直近の値動きで、この長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:米国FXCM)
長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」と長期のサポート・ライン「赤の破線」で、「三角持合い(ウェッジ)」を形成していた、と考えることもできる。
「三角持合い(ウェッジ)」と考えても、長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した点は、同じである。
■1.4000ドル、1.4050ドルにはオプションバリアがあった?
続いて、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」を表示している。
(出所:米国FXCM)
月足チャートに表示した長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」と同じものだ。
(出所:米国FXCM)
ゴールデン・ウィーク明け(2014年5月8日)のユーロ/米ドルは、1.4000ドル近辺(高値は「1.3990ドル-95ドルレベル」)まで急上昇した。
その値動きで、この長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」を上に抜けたようにも見えたのだが、この時点でも、まだ、このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」が有効と考えた。
それで、レジスタンス・ライン「青の破線(太線)」の傾きを緩やかにして、直近の高値(1.4000ドル近辺)に合わせ、修正した。
なお、「青の破線(細線)」は、「青の破線(太線)」の平行線だ。
ユーロ/米ドルが1.40ドル台に明確に乗せる場合、つまり1.4050ドル近辺を上に抜ける場合が「買いシグナル」と考えた。
1.4000ドル、1.4050ドルには、大量の為替オプション取引が組まれていたのだろう、と推測した。
よって、1.4000ドル、1.4050ドルのオプションが、バリア(抑制)になっていたと推測する。
もっとも、相場が大きく下落して、1.4000ドル近辺から離れてしまったので、上述の大量の為替オプション取引があったのか、なかったのか、検証することはできないし、検証する必要もないが…。
振り返ると、サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んで以降は、レジスタンス・ライン「緑の破線(太線)」に従って下落した、と考える。なお、「緑の破線(細線)」は「緑の破線(太線)」の平行線だ。
そして、週足チャートを見てわかるように…
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