■4時間足チャートで1.3ドルを割り込んで以降の値動きを分析
最後に、4時間足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは1.3000ドルを割り込んで「売りシグナル」を発したと考える。
(出所:米国FXCM)
1.3000ドルという「キリの良い数字」には、大口のオプション取引が組まれていた、と考える。こういった「キリの良い数字」は、注目度が高く、チャート・ポイントと言える。
なお、上の4時間足チャートには、1.3000ドルを割り込んだポイントを表示できなかった。
1.3000ドルを割り込んでからのユーロ/米ドルは、1.28ドル台前半で、底堅く推移した。
しかし、結局のところ安値を更新して1.2800ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
さらに、1.2700ドルを割り込み、「売りシグナル」を発し、その下で、短期のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
この時点での安値は、1.2500ドル割れ(1.24ドル台後半)をつけている。
■1.25ドルを割って「売りシグナル」点灯中
1.2500ドル割れ(1.24ドル台後半)から反発して、1.2700ドルを上に抜けて、今度は、「買いシグナル」を発した、と考える。
そして、ユーロ/米ドルは、1.2800ドル近辺を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
この「買いシグナル」に従い、ユーロ/米ドルは、1.28ドル台後半にまで急騰した。
しかし、急騰後は上値も重く、いったん1.2700ドル近辺まで急落している。
俯瞰すると、ユーロ/米ドルは、「紫の破線」で表示したボックス相場を形成していた、と考える。
このボックス相場「紫の破線」の上限は1.2900ドル近辺、下限は1.2500ドル近辺と考える。
(出所:米国FXCM)
4時間足チャートを見ると、上述のボックス相場「紫の破線」の上限1.2900ドル近辺を上に抜けても、1.29ドル台ミドルに、さらなるレジスタンス(抵抗)がある、と考える。
さらに、その上の1.3000ドルもチャート・ポイント(=レジスタンス)だ。つまり、上値には断続的に、レジスタンス(抵抗)がある、と考える。
ユーロ/米ドルは、大きく下落した後の修正(調整)局面で、1.2500ドル近辺の安値から反発(上昇)した。
しかし、時間が経過して、修正(調整)局面を終えれば、1.2500ドル近辺の安値を更新する可能性が高い、と考えていた。
1.28ドル台後半からの下落で、短期のサポート・ライン「緑の破線」を2本表示したが、これらの2本の補助線(=短期のサポート・ライン)をそれぞれ割り込み、そのつど、「売りシグナル」を発した、と考える。
この時点で、ごく目先のターゲットは、1.2500ドル近辺と考えた。
そして、1.2500ドルを明確に割り込む場合は、さらなる「売りシグナル」点灯と考えた。
見てのとおりに、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:米国FXCM)
■目先はボックス相場、抜けた方について行くのがセオリー
ごく目先のユーロ/米ドルは、「青の破線」で表示したボックス相場を形成中、と考える。
直近の値動きでは、このボックス相場「青の破線」のインサイド(内側)で、短期のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、このボックス相場「青の破線」の下限(1.2350ドル近辺)を割り込む場合は、「売りシグナル」なので、要注意と考える。
このボックス相場「青の破線」の下限を割り込む場合は、安値更新だから、当然に「売りシグナル」となる。
基本的に、「ユーロ/米ドルの下落トレンド」が続いている、と考える。
11月下旬に、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が「インフレリスクが顕在化すれば資産購入を拡大する意向」と発言したことで、ECBの緩和傾向が再確認され、追加緩和への思惑が広がった。
何度も繰り返すが、1.23ドル台ミドルを明確に下に抜ける場合は、「売りシグナル」なので、要注意と考える(※)。
ごく目先の相場は、ボックス相場「青の破線」に注目して、このボックス相場「青の破線」をブレイクした方について行くことがセオリーと考える。
つまり、1.2350ドルを割り込む場合は、「売り」でついて行く、1.2600ドルを上に抜ける場合は、「買い」でついて行く、ということだ。
(2014年12月03日 東京時間14:45記述)
(※編集部注:本記事が執筆者の松田哲氏より寄稿された12月3日(水)14:45以降、ザイFX!編集部が編集作業をしている最中にユーロ/米ドルは急落し、1.23ドル台ミドルを下抜け、一時、1.2320ドル台まで下落した。編集部が松田氏に問い合わせたところ、この動きは「1.23ドル台ミドルを『明確に』下抜けたものとみている」との返事があった。12月3日(水)18:10現在、ユーロ/米ドルは少し反発したものの、1.2350ドルより下の1.2340ドル近辺で推移している)
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