■【FOMC】12月の4大ビッグイベントも今週で終了
今週(12月15日~)のメインは17日(水)深夜開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)。焦点は声明文の「considerable time」(かなりの期間)が削除されるかどうかです。削除されるだろうとの予想が大勢で、代わりに入るかもしれないのが「patient」(忍耐強く) の言葉。
過去にこの単語が出たときは、5カ月後に利上げされました。歴史が繰り返すなら、6月から9月だった利上げ時期の予想が少し前倒しされて5月となり、米ドル買いにつながる可能性があります。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
雇用統計、日本のGDP改定値、衆議院選挙と、12月の注目イベントのうち3つを通過。残るFOMCも織り込まれつつあります。年末の差し迫ったこの時期にポジションを傾ける投資家も少ないですから、サプライズがない限りは大きな動きになりにくいのかなと思います。
あとFOMCでもうひとつ気になるのは、原油安に対する欧米の態度の差。FRB(米連邦準備制度理事会)は、原油安が物価を押し下げると同時に減税の役割をするため、個人消費の追い風になるとしていて、危機感を示すECB(欧州中央銀行)やBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])の空気とまったく違います。
今回も原油安に楽観的な見通しを維持するのかどうか。隠れたポイントだと思います。

(出所:米国FXCM)
米ドル/円については、総選挙明けの12月15日(月)の動きが象徴的でした。事前の報道どおりに自民大勝でセル・ザ・ファクトになったのは予想どおりですが、下値は1ドル=117円台後半まで。
その後の反発も119円まででした。今週(12月15日~)は、というか2014年年内はFOMC次第ではありますが、116~120円までのレンジなのでしょう。下げたところを買って上で利食ってと、短期で回転させていきたいですね。

(出所:米国FXCM)
今週(12月15日~)は、FOMCでの文言の変化などを先取りして、ロシアやインドネシア、タイをはじめとした新興国の通貨や株価が大幅な調整を迫られています。

(出所:CQG)
もし、FOMC声明文やイエレンFRB議長の記者会見で、利上げ前倒しを連想させるタカ派的なコメントが出てくると、新興国からの資金引き上げという発想で、さらなる大幅調整にもなりかねません。
1998年、世界的なショックの引き金となった大手ヘッジファンドLTCM(※)の破たんも、アジア通貨危機とロシア危機が原因でした。安易に使いたくないですが「新興国危機」という言葉がちらついてきています。注意深く見守る必要が出てきました。
(※編集部注:「LTCM」とはヘッジファンド「ロングターム・キャピタル・マネジメント」のこと)
【参考記事】
●【ロシア異変】1日で14%ものルーブル安! ロシアは政策金利を6.5%上げて17%に!

発表:12月17日(水)28時
ポイント:声明文の表現の変化=「considerable time」の削除
■【ユーロ】欧州の注目集めるギリシャ大統領選に要注意!
FOMCと同じころ、ギリシャでは大統領選出の議会投票があります。今回で決まらず、12月23日(火)の第2回投票にずれこむのでしょうが、与党候補の得票が180票、190票と連立与党系の議席数を上回れば、ユーロにポジティブですし、連立与党の議席数である155票を下回るようなら、ユーロが50pips程度は急落するのでは…と思います。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
投票が始まるのは12月17日(水)の27時(午前3時)ごろ。日本のみなさんが起きるころには結果が判明しているでしょう。
ユーロについては中期的には下落なのでしょうが、ショートポジションが積み上がっていて、動きが出るまでに少し時間がかかるのかなという印象です。

投票日:12月17日(水)27時から
ポイント:連立与党候補の得票数
連立与党候補の得票予想:172票程度
(次ページでは英国の重要イベントについての話題が…)
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