■【調整週】ユーロ/米ドルの調整は戻り売りで
今週(1月12日~)は大きな経済指標はないんですが、来週、1月22日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会、25日(日)にギリシャ総選挙と2大イベントが控えています。
ECBに影響しそうなのが1月14日(水)。ECBが発表したOMT(国債買い入れプログラム)の合憲性について、欧州司法裁判所が仮見解を発表します。
ここで、「違憲ではない」といった見解が発表された場合、最終的な判決は1年後くらいになるということであっても、ユーロ/米ドルが買い戻される場面が出てくるかもしれません。そこは売りたいですね。
ユーロ/米ドルは1.1750ドルが意外と堅いですね。ユーロ/米ドルは市場参加者が総じてショートで、米ドル高が2015年のコンセンサスなんですが、目先は調整を警戒している海外勢も多いんですよね。
今週(1月12日~)は米ドル高の調整週でいったん米ドル安が進むのかなというイメージです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 週足)
ECBのQE(量的緩和策)にしても、黒田バズーカ2のときのように「馬鹿になって売らないといけない」というほどでもない感じ。1.20ドルくらいまで戻れば売りたいですが、1.17ドル台で売りたくはない。
【参考記事】
「黒田バズーカ2」が炸裂! 米ドル/円は短期でも中期でも買い! サポートは110円(11月4日、西原宏一&松崎美子)

(出所:米国FXCM)
一部ではユーロの売られすぎ、QEに対する前のめりすぎる姿勢に警告を発している銀行もあります。いったん1.20ドルから1.21ドル程度まで戻ってくれたほうが、溜まったショートが消化されて下がりやすくなるんですけどね。

発表:1月14日(水)17時30分
ポイント:OMTの合憲性
■【英ポンド】ユーロよりも英ポンド売りに妙味?
2015年の注目はユーロ下落ですが、下げるという意味では英ポンドもおもしろそう。5月に控える総選挙に向けての政治的リスク、そして、万が一、保守党が政権を握った場合には、EU(欧州連合)離脱の国民投票が前倒しされるかもしれない不透明感などが重石となり、英ポンドに対しては弱気で見ています。
ユーロは総じてショートですが、英ポンド/米ドルはまだ買い手も多く残っています。その分、下げる余地も大きく、上げたところで戻り売りを繰り返していく のが良さそうです。
イギリスでは、1月13日(火)にCPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIは下落、コアCPIは上昇する予測でこれを市場がどう受け止めるのか。いずれにせよ、戻りがあれば売りたい。

英国12月消費者物価指数(CPI)は1月13日(火)18時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)

(出所:米国FXCM)

発表:1月13日(火)18時30分
前回:+1%(前年同月比)
予想:+0.7%(同)
(次ページでは米国の材料と米ドル/円相場についての話題が…)
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