連日、ザイFX!でも関連情報をお伝えしていますが、2015年1月15日(木)にSNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])がユーロ/スイスフランにおける1.20フランという防衛ラインを突如撤廃したことにより起こった「スイスショック」は、金融市場に大きなインパクトを与えました。

(出所:米国FXCM)
上のチャートのとおり、ユーロ/スイスフランは、わずかな時間で3800pipsという歴史的な大大大大暴落を見せ、マーケットではレートが表示されず、一時取引停止状態になる場面もあったり…。スイスフラン関連の通貨ペアを中心にかなり動きましたね。
【参考記事】
●ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!
●プライスが消えた…。現役インターバンクディーラーが語ったスイスショックの瞬間
●スイスショックで借金の悲劇!個人投資家を直撃、裁判への動きも…
FX業界でも、英国のアルパリ(UK) Limitedがスイスショックを受けて破綻するなど、財務状況に大きな打撃を受けた会社もあります。日本法人であるアルパリジャパンも新規口座開設、入金、取引は停止。保有ポジションについては強制決済するという事態になりました。
【参考記事】
●スイスショックでアルパリUKが破綻! スイスフラン大暴騰で損失をカバーできず
●ついに破綻も! スイス中銀の爆弾発言は欧米のFX会社にどう影響したのか?(広瀬隆雄)
アルパリジャパンは、これからどうなってしまうのか…。それはまた別の機会にお伝えするとして話を進めていきたいと思います。
アルパリジャパンのように海外に親会社を持つFX会社は、結果として影響がもろに及んでしまっていますが、基本的に日本ではユーロ/スイスフランをはじめとしたスイスフラン絡みの通貨ペアの取引量は少なく、その分、個人トレーダーにしてもFX会社にしても、スイスショックの影響は少なかったと言われています。
【参考記事】
●535兆円!店頭FX取引の83%はドル/円。大騒ぎスイスフランの取引量は0.2%だけ!
●スイスショックで借金の悲劇!個人投資家を直撃、裁判への動きも…
ですが、「まったく影響はなかった」とも言えません。スイスショックは、日本のFX会社にどのような影響を与えたのでしょうか? 調べてみると、いたるところに大小さまざまなスイスショックの余波とも呼べる現象が…。
以前当コーナーでは、英国のアルパリ(UK) Limitedの破綻を受けて欧米のFX会社へのスイスショックの影響に関する記事を公開しましたが、今回は、日本のFXトレーダーにとってもなじみの深い、日本の主要FX会社への影響について、各社がウェブサイトで公開している情報(お知らせやプレスリリース)を参考に見ていきたいと思います。
【参考記事】
●ついに破綻も! スイス中銀の爆弾発言は欧米のFX会社にどう影響したのか?(広瀬隆雄)
■各社のお知らせを5つのパターンに分けてみた
今回調査したのは、以下のとおり、ザイFX!が独自目線で選んだ中堅から大手どころの国内主要FX会社10社と、海外に親会社を持つ国内の外資系FX会社3社。
<国内主要FX会社10社>
GMOクリック証券、SBIFX トレード、YJFX!、DMM.com証券、ヒロセ通商、セントラル短資FX、外為どっとコム、FXプライム byGMO、マネーパートナーズ、上田ハーローFX
<国内の外資系FX会社3社>
IG証券、サクソバンクFX証券、FXCMジャパン証券
各社ウェブサイトで公開されているスイスショック関連の情報を調べてみると、これもまたザイFX!独自目線ではありますが、その内容から5つくらいのパターンに分けることができました。分類した5つのパターンとその解説、お知らせの例は以下のとおりです。
<FX会社のお知らせの5つのパターン>
・ マーケット急変注意喚起系
マーケットが急変していることを伝える内容。要点だけがまとめられた短文でマーケット急変から時間を置かずに公開されている。スプレッド拡大に関する注意やストップ注文利用の推奨、取引システムの稼働状況などもいっしょに記載されているものも見られる

・ スプレッド拡大・変更告知系
スイスショック後、スイスフラン絡みの通貨ペアのスプレッドを一定期間拡大することを告知する内容。キャンペーンスプレッドについては、対象通貨ペアから外すなどの処置がとられたケースもある
・ 臨時マーケット情報提供系
「特別レポート」などの名称で、スイスフランショックを受けたマーケット動向について臨時でまとめられたものなど
・ 財務健全性アピール系
英国のアルパリ(UK) Limitedの破綻などを受けてなのか、多くの主要FX会社で同様の情報が公開されていた。未収金や自己資本額や自己資本比率などを記載して財務基盤の健全性を訴えるものが多い
・ ルール変更告知系
海外に親会社を持つ外資系FX会社に見られ、証拠金率の見直しなど重要なルール変更を告知する内容
この5つのパターンの情報が…
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