■【豪ドル】年金の超強力な買いが下支え
今週(2月9日~)は圧倒的にGrexitが注目される1週間でしょうが、イギリスでは2月12日(木)に3カ月に1回の四半期インフレレポートが発表。BOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])総裁、副総裁の記者会見もあります。今回は非常に予測が難しい。
このところの低インフレをカーニー総裁がどうとらえているのか。今まで「次の一手は利上げ」と何度も強調してきましたが、そうした文言が削除されれば大サプ ライズ。
あとは、2月13日(金)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])のスティーブンス総裁が半期に一度の議会証言に立ちます。
前回の当コーナーでもご紹介させていただいたとおり、先週、2月3日(火)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が利下げを決行。
【参考記事】
●さらなる利下げ濃厚の豪ドルは戻り売り! 米ドル/円急落はスーパーボールの影響!?(2月3日、西原宏一&松崎美子)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移)
これがサプライズ気味に受けとめられ、豪ドル/米ドルは急落しました。ところが利下げ後、日本の年金が豪ドル/円の買いを持ち込んだため、豪ドルは対円で反発。つれて対米ドルまで反発し、豪ドル/米ドルは利下げ発表前のレベルまで戻されました。
豪ドルは、2015年夏までに再度の利下げが濃厚なので、対米ドルでの戻しは限定的なのですが、対円は底堅いのでしょう。

(出所:米国FXCM)
米ドル/円の見通しは変わらず、当面は116円から119円程度のレンジ。レンジの下では年金など長期のプレイヤーが買っていくので徐々に底固めし、最後は上抜けて122円を目指す展開なのでしょう。ただマーケットの注目はユーロ。
蚊帳の外の米ドル/円が120円を抜けるのにはもう少し時間がかかりそうです。

(出所:米国FXCM)

発表:2月12日(木)19時30分
ポイント:低インフレへの見方、利上げ見通しが継続されるかどうか

開催:2月13日(金)7時30分
(構成/ミドルマン・高城泰 イラスト/スージー甘金)
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