■【ECB】欧州のテーマはギリシャ支援からQEへ
今週(3月2日~)は、5日(木)にECB(欧州中央銀行)理事会、6日(金)に米雇用統計があります。
3月からはいよいよQE(量的金融緩和策)が実施されますが、その詳細がECB理事会後のドラギ総裁記者会見で明らかになってくるのでしょう。
マイナス利回りとなっている国債も購入対象にするのかどうか、「ECBの中銀預金金利(現在はマイナス0.2%)の水準までの債券なら購入対象」(日経ヴェリタス)との記事も出ていますが、ドラギ総裁の口からはっきりと見解を聞きたいところ。
【参考記事】
●ECBのQEとギリシャ総選挙が終了。ユーロは一旦買戻し後に1.08ドルへ下落か(1月27日、西原宏一&松崎美子)
また、ECB総裁の発言からは期限を定めない「オープンエンド型」と読み取れるのですが、声明文では「2016年9月まで」と期限が明記されている。このあたりが声明文や記者会見で明らかになってくると、ユーロが動意づくのでしょう。下値を追いたくはないですが、戻りを待って売りたい。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロVS世界の通貨 日足)
米ドル/円の120円、ユーロ/米ドルの1.11~1.12ドルでは米当局から米ドル高牽制発言が出るかと警戒していましたが、先週は「米ドル高は米経済にとって大きな問題ではない」(ブラード・セントルイス連銀総裁)などのコメントが出ていたので、このレベルで気にする必要はなさそうですしね。
あとは6月に棚上げされたギリシャ支援問題が、ECB理事会で再燃する可能性があります。ECBがギリシャの短期債入札の上限を引き上げてくれないと、ギリシャの銀行の資金繰りが危機に陥るためです。
似た境遇にあるはずのスペインでギリシャへの反感が強まっていますし、「北 VS 南」だったユーロ圏内の対立が「南 VS 南」へと拡大傾向ですから、ギリシャの火種はまだまだくすぶりそうですね。

開催:3月5日(木)22時30分~
ポイント:QEの詳細、ギリシャ短期債の発行上限引き上げの有無
■【米雇用統計】日経平均に遅れて為替も追随、円安へ
今週(3月2日~)は米ドル/円にも注目したい。先週、安倍首相が日本株セミナーに出席して、「エンジン全開の今年(2015年)の日本を買わない手はない」と気勢を上げました。
【参考記事】
●安倍首相の「日本は買い」宣言で株高!? 利下げ中なのになぜ豪ドルは注目される?(2月26日、西原宏一)
昨年(2014年)はダボス会議で安倍さんが「バイ・マイ・アベノミクス」といった途端に日経平均も米ドル/円も下げましたが…。
今回はこの日本株セミナーのあと、欧州リアルマネー、米系ヘッジファンドからの日本株買い、円売りが断続的にマーケットに持ち込まれ、どちらも上昇しています。
黒田日銀総裁も「デフレ脱却にはロケットのような大きな推進力が必要」とブレない姿勢を示したことで、日経平均は1万9000円間近まで上昇しています。日経平均の力強い上昇力と外国人投資家によるヘッジの円売り、それに米当局の米ドル高容認姿勢からすると、日経平均に追随して米ドル/円も上昇する可能性が 濃厚。

(出所:株マップ.com)
米ドル/円は120円のオプションの影響なのか120円台前半では伸びきれていませんが、中期の買いポジションを持ちながら、120円台では利益確定して回転させたいところ。3月6日(金)の米雇用統計までにどれだけ上昇できるか、注目です。

米2月雇用統計は3月6日(金)22時30分の発表
(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)

(出所:米国FXCM)

発表:3月6日(金)22時30分
前回:+25.7万人
予想:+24万人
(次ページではRBAの金融政策と豪ドルについての話題が…)
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