ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

ザイFX!キャンペーン比較
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
FX情報局

固定相場制(ペッグ制)が招いた悲劇!?
香港ドルなどの取扱い停止はなぜ増えた?

2015年04月06日(月)14:33公開 (2015年04月06日(月)14:33更新)
FX情報局

投資情報充実の外為どっとコム!当サイト口座開設者限定キャンペーン実施中!

■突然の防衛ライン撤廃で、大大大大大混乱に…!

 そして迎えた2015年1月15日(木)、SNBは突然、1.2フランの防衛ライン撤廃を宣言。これを受けて、わずか数十分の間にユーロ/スイスフランは、1.2フラン付近から0.82フラン付近まで約3800pipsも暴落しました。

【参考記事】
ユーロ/スイスフランが約3800pips大暴落! スイス中銀が防衛ラインの撤廃を発表!

ユーロ/スイスフラン 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 日足

 1.2フランの防衛ライン撤廃の理由をSNBは、「スイスフランの割高感は全体としては小さくなった」からとしていますが、実際のところは、これ以上ユーロ買い・スイスフラン売りの介入を続けるのは、困難だったのでは? との声も聞かれます…。ちなみに、SNBは、この時、中銀預金金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げることも発表しました。

 本来、需給関係によって自由に決まる為替レートを為替介入で強引に管理する「固定相場制(ペッグ制)」には、メリットもあれば、それ相応のリスクもあるということなのかもしれません…。

 ユーロ/スイスフランが暴落した際の状況は、ザイFX!でも、これまでにもいくつも記事を公開したとおり。その瞬間、インターバンクではプライスが消え、結果、トレーダーは大量のロスカットに見舞われ、FX会社では未収金が発生し、破綻するFX会社まで出るという大混乱になりました。

【参考記事】
為替介入で大暴落したスイスフラン! 大損失を被った個人トレーダーも!?
プライスが消えた…。現役インターバンクディーラーが語ったスイスショックの瞬間
スイスショックによるロスカット未収金は東日本大震災時と比べて、多かったのか?
スイスショックでアルパリUKが破綻!スイスフラン大暴騰で損失をカバーできず
スイスショック時もレート配信を継続!?5分足チャートから読み取れる真実とは?

■ペッグ制が外れると大きな為替変動が! 危ない通貨は?

 つまり、SNBが行った無制限介入のように、過度な為替介入を実施することで無理やりペッグされた通貨は、金融当局の政策が突如変更され、そのペッグが外されると、短時間のうちに、とてつもなく大きな為替変動を引き起こしてしまう可能性があるということが、スイスショックを経て、改めて浮き彫りになったワケです。

 これは、めちゃくちゃ大きなリスクですよね…? スイスフランと同じような通貨管理制度が採用されている通貨に関して、FX会社が警戒するのもうなずけます。

取扱い停止通貨ペア一覧・再掲載

 米FXCM自体、すでに融資が行われ、倒産の危機は免れたものの、スイスショックによる顧客の未回収金は、2億2500万ドル(1米ドル=120円で換算すると270億円相当)と発表しており、これ以上、目に見えて想定できるリスクを抱えた通貨を取扱い通貨ペアのラインナップに並べておくことができなかったのではないかと想像できます…。

 そして、元親会社の意向を受けてか、FXCMジャパン証券も5通貨ペアの取扱いを停止することとなりました。

【参考記事】
スイスショックによるロスカット未収金は東日本大震災時と比べて、多かったのか?
スイスショックでアルパリUKが破綻!スイスフラン大暴騰で損失をカバーできず

 ただ、FXCMジャパン証券が取扱いを停止することにした5通貨ペアのうち、ノルウェークローネなどについては、「固定相場制(ペッグ制)」でも「管理変動相場制(管理フロート制)」でもなく、「自由変動相場制(フロート制)」ですので、ペッグが外れた場合を想定しての取扱い停止ではなく、何か異なった事情があると思われます。

■外為どっとコムも香港ドルのペッグ廃止を意識

外為どっとコム[外貨ネクストネオ]は、スイスショックの余波が残る中、「かねてより対米ドルペッグ制廃止の可能性がささやかれて」いる香港ドルについて、もし廃止の決定がなされた場合、「マーケットでの著しい流動性低下に伴い当社取引レートをお客様へ安定的に提供することが困難となる見通しである」として、投資家保護の観点から、香港ドル/円の新規注文を停止したとのこと。

 まとめると、やはり、ペッグ制が外れた時のリスクを回避するために、香港ドルの取扱いを停止したということがウェブサイトに書かれています。

外為どっとコムのウェブサイト

YJFX![C-NEX]については、香港ドル絡みの2通貨ペアの取扱い停止について、「香港ドルの流動性が著しく乏しいため、投資家保護の観点から」と発表しており、香港ドルが「固定相場制(ペッグ制)」の一種である「カレンシーボード制」であるという点には触れていませんが、このタイミングで…。というところを考えると、同様のリスクを意識して通貨ペアの取扱い停止に踏み切ったのではないかと想像できます。

■固定相場制や管理変動相場制の通貨のトレード

 なんだか、ただただ怖い印象が残る「固定相場制(ペッグ制)」や「管理変動相場制(管理フロート制)」の通貨ですが、ただ怖い制度、というワケではありません。

 実際、暴落したユーロ/スイスフランについても、SNBが1.2フランの防衛ラインを死守すると宣言して以降は、「防衛ラインに近づくと為替介入が行われる」ということを前提に、1.2フラン近辺でユーロ/スイスフランを買うという戦略で利益を上げることができた時期もありました。

 また、「管理変動相場制(管理フロート制)」の「バンド制」が導入されている通貨であれば、そのバンド内でトレードし、利益を狙うことも可能ではあります。

 さまざまな分析手法はあるものの、「自由変動相場制(フロート制)」においては、為替レートの先行きを読むのが難しいのに対して、「管理変動相場制(管理フロート制)」や「固定相場制(ペッグ制)」が採用されている通貨については、ある程度、「こうなったらこうなるだろう」ということを予想してトレードに臨むことができるのも事実です。

 ただし、そうした通貨のトレードをする際は、スイスショックの際、SNBが突如、ユーロペッグを外したことで、大混乱に陥ったように、何か起きると、ほぼ間違いなく大きな混乱に巻き込まれるという点を覚悟して、ポジションを保有するということが前提になりそう…。

 何より、マイナー通貨をトレードする際には、その通貨がどんな通貨管理体制を採用しているのかをきちんと把握したうえで、ポジションを持つことをおすすめしたいと思います。

 ノーリスクの為替トレードは存在しませんが、どんな通貨ペアでどんなスタイルのトレードをするにしても、できる限りの情報を集め、リスクを認識したうえでトレードに臨み、願わくばコンスタントに利益を得られるトレーダーになっていきたいですね。

(ザイFX!編集部・向井友代)

GMOクリック証券[FXネオ]
人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
キャンペーンおすすめ10 jfx記事 ザイ投資戦略メルマガ
キャンペーンおすすめ10 jfx記事 ザイ投資戦略メルマガ
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る