■目先の反発が今後も続くのかは疑問
3月、4月ころになってからの豪ドル/米ドルは、値動きが行き詰まっており、安値0.75ドル台から高値0.79ドル台程度で、上下動を繰り返していたが、上限を上に抜けて「買いシグナル」を発した状況だ。
(出所:米国FXCM)
しかし、ゴールデン・ウィークの市場参加者が少ない中での、ショート・スクイズ(=損切りを巻き込みながらの上昇)が起こった、と考える。
この流れ(0.75ドル台からの上昇)が、ゴールデン・ウィーク明けにも持続するのかは、疑問に思っている。
つまり、ゴールデン・ウィークに入って以降(=4月27日以降)は、積極的に相場に参加する人がいないので、ショート・スクイズ(=損切りを巻き込みながらの上昇)が起こった、と考える。
ゴールデン・ウィークが明けて、市場参加者が戻れば、本来のトレンド(豪ドルの下落トレンド)に戻るのではないか、と考える。
先にも述べたが、今年(2015年)のゴールデン・ウィーク明けは、5月11日(月)を指し、現在はゴールデン・ウィークが明けたが、相場はまだ動き出していない、と考える。
■RBAの利下げで豪ドル買いという反応に違和感も
先月4月7日(火)のRBA(オーストラリア中銀)は、豪ドル政策金利の据え置きを発表した。
4月7日(火)の時点では、金利据え置きを材料に「豪ドル買い」となった。
しかし、この時点では政策金利引き下げを見送ったが、引き続き、次回以降のタイミングで、利下げをする可能性が持続している、ということだ。
少し長いスパンで考えるならば、いずれ豪ドルの政策金利が引き下げになる、という思惑が働き続けていることになる。
そう考えると、豪ドルの下落トレンドに変化がない、と考えていた。
上述のように考えていたところ、ゴールデン・ウィークの最中(5月5日)に、RBA(オーストラリア中銀)は、豪ドル政策金利を0.25%引き下げ、2.00%にすることを発表した。
事前予想どおりだったこと(=利下げが織り込み済みだったこと)を材料に、豪ドル/米ドルは、上昇している。
(出所:米国FXCM)
しかしながら、この反応(豪ドル買いの反応)も、ゴールデン・ウィークで、市場参加者が極端に少ない中での、妙な値動きに感じる。
妙な値動きであっても、それが相場だから、今回の(5月5日)利下げを転機に、豪ドル/米ドルのトレンドが変わる可能性も否定はできない。
別な言い方をするのならば、大局での豪ドルの下落トレンドに変化がなくとも、豪ドル/米ドルが、大きく下落した後での(1.1000ドル近辺から、0.7500ドル近辺へ下落した後での)、本格的な修正局面(調整の反発上昇局面)を迎える可能性はあるので、ゴールデン・ウィークが明けたら(5月11日以降に)、相場をよくよく観察する必要を感じている。
今のところ、大局での「豪ドルの下落トレンド」に変化がない、と考えている。
(2015年5月13日 東京時間15:00記述)
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