■【NZドル】中国株急落、首相の為替安誘導で売りチャンス
ギリシャ以上のリスクとなりそうなのが中国株の下落。
中国政府は昨年(2014年)11月以降、4回の利下げを決行し、さらに年金基金の3割を株式投資に充てる方針を決定。
先週末(7月5日)には市場を安定させるために2兆円規模の基金の設置を発表したのに、まったく効果がなく、この3週間で上海総合指数は30%近く下落しました。
【参考記事】
●Xデーは7月5日!異例のギリシャ国民投票でユーロ大荒れ! 英米の利上げも遠のくか(6月30日、西原宏一&松崎美子)

(出所:CQG)
これまでだと、シャドーバンキングなどが懸念されても中国政府の買い支えで持ちこたえてきましたが、今回は何をやっても株価が戻りません。
欧州株も下落していますが、中国はそれ以上ですね。
中国政府がこれだけ焦っているというのは、欧州でさらなる危機があるのを先取りしての動きなのかと勘ぐりたくもなりますね。
いずれにせよ、中国株が下がるのであれば、為替市場では豪ドルやNZドルの下落につながります。特にNZドルは首相自らが為替誘導発言を行なっています。
【参考記事】
●ハト派的な米FOMCで米ドル/円急反落! NZドル/円が80円割れ濃厚な理由とは?(6月18日、西原宏一)
元メリルリンチのジョン・キー首相ですね。以前は私の上司でした。
そのジョン・キーが対米ドルで0.65ドル以下とターゲットを明言していますし、ギリシャや中国の騒動でリスクオフの円買いになりやすくなっていますから、NZドル/円の売りがいいのでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:NZドル/米ドル 日足)
NZドル/円は80円割れも間近ですし、日足チャートでは75円をターゲットとするヘッド&ショルダー(※)を形成しています。戻り局面では85円にストップを置いて売っていきたいと思います。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
(出所:米国FXCM)
今週(7月6日~)は8日(水)深夜にFOMC議事録発表、10日(金)深夜にはイエレンさんの講演などもあるので気をつけておきたいですが、市場の注目はギリシャと中国、2つのリスクに集中するのでしょうね。

発表:7月8日(水)27時
ポイント:利上げ時期、利上げ幅についての見通し

開催:7月10日(金)25時30分から
ポイント:ギリシャ問題による9月利上げシナリオへの影響
(構成/ミドルマン・高城泰 イラスト/スージー甘金)
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