■【中国】中国人民元切り下げがゲームチェンジャーに?
先週(8月10日~)は中国の人民元切り下げが予想外の出来事で衝撃を与えました。ただ、今週(8月17日~)も引き続き切り下げるかというと、否定的な見方が大半。
【参考記事】
●人民元ショックの対抗策で浜田節が炸裂!? 日本株高でドル/円は128円へ上昇濃厚!(8月13日、西原宏一)
むしろ懸念されているのは他のアジア諸国への波及です。モルガンスタンレーは「AxJ」(Asia Excluding Japan、日本を除くアジア諸国)通貨の売りを推奨するレポートを出していました。
中国関連で悪影響を受けるブラジルやロシア、韓国、台湾、シンガポール、タイ、チリ、コロンビア、ペルー、南アフリカの10通貨に「Troubled 10」と名づけたりもしていますね。
上海株が30%超下落し、中国人民銀行は今年(2015年)だけで4度の利下げを敢行し、さらに中国人民元の切り下げと続いてはっきりしたのは、中国経済は想定以上に悪化しているということ。
【参考記事】
●上海株暴落で中国警察当局が動いた! ビル・グロス氏もビビる驚きの対応とは?(7月9日、西原宏一)

(出所:CQG)
口の悪い人からは「すでにマイナス成長なのでは」という声も。ジョージ・ソロスなど有名投資家が中国株を処分したことも話題となっており、今回の中国人民元切り下げが「ゲームチェンジャー」になる可能性もありそう。
今週、8月20日(木)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の発表もあるんですけど、発表されるのは7月末開催分の議事録。中国人民元切り下げ前のFOMCなので、あまり参考にはならないでしょうね。

発表:8月19日(水)27時
ポイント:利上げ時期についての見通し
■【米ドル高】コモディティ価格下落は世界の景気悪化を示唆
原油、鉄鉱石、乳製品とコモディティ市場が崩れていることも非常に気がかりです。グローバル経済の先行指標でもあるコモディティ市場ですから、その下落は世界経済の低迷を示唆しています。
【参考記事】
●商品価格の低迷が資源国通貨に痛手! 原油下落で、ユーロ安になる理由とは?(7月30日、西原宏一)

(出所:米国FXCM)
グローバル景気が悪化すれば、マネーの流れとしては米ドルに戻す動きが強まりますから、基本的には米ドル高と考えられます。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
ところが、よくわからないのがユーロ/米ドル。「避難通貨」としてなのか、株価が落ちるとユーロが買われる動きが続いています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
ユーロ圏はQE(量的緩和策)をやっているわけですから、早晩調整が終わり「やはり教科書どおりにユーロは反落した」ということになっているはずなのですが…。
ユーロ圏では今週、8月20日(木)、ギリシャのECB(欧州中央銀行)に対する債務の返済期限が控えていますが、今回は波乱もなく切り抜ける見通し。
ギリシャ問題がこれで終わったわけではありませんが、少なくとも今週(8月17日~)の波乱要因にはならないでしょう。ただし、その後には内閣信任投票が控えているようですので、来週(8月24日~)以降、またしてもギリシャ問題が注目を集めることになるかもしれません。

期限:8月20日(木)
ポイント:32億ユーロが無事に償還されるか
(次ページでは新興国から米ドルへ資金流出の話題が…)
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